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東京、大阪の両証券取引所の経営統合協議が表面化して3カ月。それぞれの株主総会で両トップは、統合への意欲を改めてみせた。ただ、統合の手法や時期については、実利とプライドがからんで食い違ったままだ。
●手法・時期 隔たり
「私が反対することは基本的にあり得ない」(22日、大証の米田道生社長)
「日本を心配し、安定的な資本市場を提供する義務があるという点で、
私と米田さんは完全に一致している」(21日、東証の斉藤惇(あつし)社長)
東証と大証を統合し、
持ち株会社の下で現物株式の取引所とデリバティブ(金融派生商品)の取引所に再編、
強化する構想だ。両トップが改めて意欲を示し、市場は好感。
ジャスダック市場に上場する大証株は2日間で5%超上昇した。
とはいえ、両社は統合協議の事実すら公式には認めていない。
水面下で続く協議では、最終形にいたるまでの統合方式や時期を巡って、両社の主張はすれ違ってもいる。
ジャスダックを傘下におさめるなど再編に積極的に動いてきた大証は
「世界の潮流に取り残されないためにもスピード感が必要だ」との立場。
すでに株式を公開している大証を存続会社とし、東証を子会社化することをもくろむ。
東証株主には現金ではなく大証株を渡す。事実上の買収だ。
だが、東証は「あり得ない」と考える。来年1~3月期を目指す自社の株式上場がまず先と主張。
上場会社の規則として、新規上場後は最低1年は経営統合ができない。
大証との統合はその後だが、「業務提携を先行させれば問題ない」(幹部)。
合従連衡を繰り返す世界の取引所は、今年に入ってからも、
ニューヨーク証券取引所を傘下に持つNYSEユーロネクストとドイツ証取とが、
ロンドン証取とカナダのTMXグループとが合併で合意。規模拡大でシステム投資のコストを抑え、
競争力を高める動きが加速している。日本勢も、これ以上後れをとるわけにはいかない。
●リミット、8月か
交渉を難しくするのはプライドでも実利でもある。
「東証が一瞬でも大証の下にぶら下がるのが嫌ならば、会社名を『日本取引所』に変えたっていい」。
大証幹部は、アジアを代表する市場を自負する東証の拒否反応を見透かすように言う。
米田社長は、東証にプライドを捨てる覚悟を迫るかのように
「本気なら、基本合意は3カ月以内が一つのめど」と繰り返している。
だが東証には、「上場すれば高い株価がつく可能性がある」(大手証券)。
上場後なら統合比率で優位に立ちやすい。大証が早期統合にこだわるのは、そうならないためでもある。
東証の斉藤社長と大証の米田社長がトップ会談を持ったのは、4月7日。
この日が統合協議のスタートとされる。米田社長がこだわる「3カ月」は
「七夕あたりが一つのめど」(大証関係者)だ。一方、来年1~3月の上場を目指す東証も、
統合問題に結論を出さないと上場審査の手続きを進めにくい。
「8月末までには統合するか否かの判断を迫られる」との見立てが多い。(榊原謙、山本知弘)
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