11/05/18 23:13:37.00
帝国ホテルの今2012年3月期は、実に第二次オイルショックに見舞われた1975年3月期以来
、37年ぶりの営業赤字に転落する見通しだ。同社は12日、前11年3月期決算を発表したが、
今期計画については「震災の影響で合理的な算定が困難」として非開示とした。東洋経済
は、年間10億円を大幅に上回る営業赤字幅となると予想する。
1983年に竣工した同社のインペリアルタワーは、高層部の客室のほか、中層部のオフィス
と低層部のショップ・レストランが賃貸用となっており、この安定的な収益源ができてから
はバブル崩壊後も営業黒字を維持してきた。ただ、今期は、震災の影響が全社売上げの約65
%を占める帝国ホテル東京を直撃、ホテル部門が大赤字に転落するため、賃貸不動産でも
補いきれない。
会社側によると、帝国ホテル東京では、宿泊客の約5割を占める訪日外国人が震災直後で
前年比9割減と激減、その後の需要の戻りは他の産業より遅く、5月のゴールデンウイークを
過ぎても同5割減という状況が続いている。また、ビジネス利用が多い日本人宿泊客も目下
、5割減で、「4月のホテル稼働率は35%と、帝国ホテル史上最悪の状況」(広報課)という。
外資系の進出が盛んだった東京都心の超高級ホテルは、どこも帝国ホテルのように訪日
外国人宿泊客の比率が高く、同様の惨状となっている。帝国ホテルではレストラン部門も
回復してきたとはいえ、直近で3割減、法人宴会も不振だ。これらの落ち込み幅はシティホ
テル系より大きいが、より高級感が強く格式が高い分、自粛ムードの影響が大きいと見られる。
東洋経済では上期(11年4~9月期)の売り上げを2割減と想定している。下期(10月~12
年3月期)は回復するものの、原発問題等を忌避する訪日外国人宿泊客の戻りは相対的に遅
く、前年同期の売り上げを数%程度は下回ると予想する。
また、会社側は人件費や光熱水道費等の削減を明言するが、前期に375億円あった販売管
理費の削減幅は数億円から、大きくとも10億円程度にとどまる見通しだ。この結果、コスト
削減をやや多めに見積もっても、18億円程度の営業赤字となりそうだ。
帝国ホテルでは配当予定も非開示だが、現在の新本館竣工(1970年)当時やオイルショッ
ク時の赤字決算の際には無配としており、今期も無配とする可能性はある。
ただ当時は立て続けの施設建設で借金過多の体質だったが、現在は逆に無借金で今年3月
末現預金は210億円まで積み上げている。今期が赤字でも無借金経営は軽々と維持でき、
訪日外国人宿泊客の回復が期待できる来13年3月期以降は黒字決算に復帰する見込みだ。
(野村 明弘 =東洋経済オンライン)
ソース
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)
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