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東日本大震災で15mの大津波に襲われた福島第1原発の立地場所が、40年以上前は海抜35mの台地だったことが、建設当時に東京電力が
国に提出した資料などで分かった。
東電は、地盤の強度や原子炉を冷やす海水の取り入れやすさを考慮した結果、地表から25mも土を削って原発を建設した。
計画に携わった元東電幹部は「違う建て方もあった」と、津波対策を軽視してきたことを認めた。
原発の建設地約200万平方メートルは、東電が1964年までに取得した。旧日本軍飛行場があった場所で、海岸線に険しいがけが続く台地
だった。地質は、地表から海水面までの3分の2は、地盤が弱い粘土や砂岩層が広がっていた。
計画メンバーの1人、豊田正敏・元東電副社長(87)によると、さまざまな建設方法を検討した後、地震に対応する巨大な原子炉を
建てるには、地表から25m下にある、比較的しっかりした泥岩層まで掘り下げることが必要と判断した。
大量の冷却水を必要とする原発は、海面に近い方が取水効率がよく、船で運搬される核燃料の荷揚げにも都合がいい。
こうして71年、1号機が稼働を始めた。
今回、東電の想定5.7mをはるかに超える津波の直撃で、原発は高濃度の放射能漏れが続くレベル7と言う危機的状況に陥った。
未だ収束の見通しは立たない。
「耐震設計の見直しはしてきたが、津波対策をおろそかにした。建設を計画した1人として、申し訳ない」と話す豊田氏。
「台地を削らず、建屋の基礎部分を泥岩層まで深く埋めれば、地震と津波の両方の対策になったかもしれない」と悔やむ。
13mの大津波に襲われながら、かろうじて惨事を逃れた宮城県の女川原発は海抜15m。
そして、津波の教訓を生かして福島第1原発に新たに配備された非常用電源があるのは、原発の後背地に残る掘削前の高台だ。
▽ソース:中日新聞(CHUNICHI Web) (2011/05/05)
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