11/04/24 12:23:44.89
日本で発生した地震と津波による悲劇は、逆説的ではあるが孫正義(ソフトバンク社長)という新たなスターを生んだ。
メディアさえも十分に実像を伝えない日本独特の「沈黙カルテル」の中で、
孫氏は直接的な表現で堂々と政府の無能さを指摘し、官僚主義を攻撃した。
さまざまな壁に立ち向かう孫氏の姿に、日本の国民は熱狂した。
これまでの孫氏は、IT革命の先頭に立つビジネスリーダーにすぎなかった。
だが今回の震災を通じ、孫氏は世間の関心事を主導する社会的リーダーとして生まれ変わった。
孫氏は、行政上の都合ばかりを優先する官僚を「バカ」と容赦なく攻撃し、国民の怒りをそのまま代弁した。
孫氏が個人資産100億円を寄付すると発表すると、インターネットでは「孫正義を首相に!」という日本人の書き込みが相次いだ。
数日前にソウルを訪れた日本人の教授は「孫正義氏の人気はすごい」と話した。
「真のリーダーの不在」という危機に直面している日本には、孫氏のように従来の秩序にとらわれない革新的なリーダーが必要だ。
それは、孫氏が韓国系であることを知っているわれわれにとっても、非常に気分のいいニュースだ。
だが、現実的に考えて「孫正義首相」というのは空想の話にすぎない。
本人に政界進出の意思があるかどうかは別として、日本の政治・社会の構造を考えれば無理なことなのだ。
日本は世界でもまれに見る閉鎖社会だ。
グローバル時代になっても「純血主義」にこだわる日本社会が、韓国系の人間に権力を譲るなど、想像することさえ困難だ。
在日韓国人に対する日本社会の拒否反応は、想像以上に根強いものがある。
孫氏も幼少時代、石を投げられるなどして差別を受けた記憶があるという。
在日3世の孫氏は、35歳で日本国籍を取得するまで韓国国籍を保有し、現在でも韓国の姓を名乗り続けている。
日本での韓国系の活躍は、今に始まったことではない。
かつては力道山や張本勲(韓国名・張勲〈チャン・フン〉)などの英雄がスポーツ界で活躍した。
現在でもロッテグループ会長の重光武雄氏(韓国名・.辛格浩〈シン・ギョクホ〉)や「パチンコ王」ことマルハン会長の韓昌祐(ハン・チャンウ)氏、
東京大教授の姜尚中(カン・サンジュン)氏、作家の柳美里氏など、多くの韓国系が日本でが活躍している。
芸能界やスポーツ界は、韓国系の活躍がなければ成り立たないといわれるほどだ。
だが、実力以上に家柄や出身地などが重要な政界だけは、韓国系の進出の道がぴたりと閉ざされている。
唯一の例外は、1990年代に活躍した在日韓国人2世の故・新井将敬氏ぐらいだ。
新井氏は政治家として将来を期待されていたが、選挙のたびに「朝鮮人」と中傷され続けた。
新井氏は結局、違法な株取引をめぐる捜査中に自殺するという悲劇的な結末を選択した。まだまだ働き盛りの50歳だった。
日本の政治は、派閥の力学によって舞台裏で権力が決まるシステムだ。
国民からどんなに強く支持されても、多数派から推薦されなければ首相になることはできない。
孫氏のように政界以外で権力を築き上げてきた外部の人間は、入り込む余地がないのだ。
孫氏本人が政治に関心を示したことは一度もない。
ただ、孫氏の目標がカネではないことは明らかなようだ。
孫氏は4年前、記者とのインタビューで「富は道具にすぎない」と話していた。
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ソース:朝鮮日報
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