11/04/15 12:16:38.00
神戸市が進める「医療産業都市構想」で、同市中央区のポートアイランド2期に
今春、世界水準の先端医療を支える新施設が続々と誕生している。5月までに
5施設が完成し、来年稼働の次世代スーパーコンピューター「京(けい)」などを
含め、将来的に19施設が集まる見込み。周辺には民間203社が進出し、市は
「アジア最大の医療産業都市を目指す」と意気込むが、課題も浮かび上がっている。
今春、開所するのは、万能細胞として世界的に注目を集めるips細胞の研究拠点
「幹細胞研究開発棟」のほか、次世代スパコンの産業利用を促進する「高度計算
科学研究支援センター」▽世界で活躍できる医者や看護師を育成する「国際医療
開発センター」‐など5施設。
1秒間に1京回の計算ができる次世代スパコン京の利用が始まる2012年度には、
生体肝移植に取り組む「神戸国際フロンティアメディカルセンター病院」が開院。
切らないがん治療に挑む「神戸低侵襲がん医療センター」などもできる。
総事業費は神戸空港の建設費に匹敵する約2500億円。ただ、全額市負担だった
空港と比べ、同構想の市負担は約300億円にとどまる。一方、昨年末時点の
雇用数は4100人、税収増などによる経済効果は822億円。15年度には
2倍の1625億円を見込む。
「国の研究資金を利用しながら、うまく事業展開している」と担当者。新たな
“神戸市商法”ともいえる。研究者の1人は「医療の基礎から臨床、応用まで幅広い
研究者が集まるので、雑談中に思わぬアイデアがひらめくことがある」と集積効果を
話す。
だが、課題も抱える。市が進出企業の法人税免除などの規制緩和を求め、5月に
申請予定だった国の総合特区制度は、東日本大震災で国会審議が遅れ、法案が通ら
ないまま。また、進出企業の半数以上は「貸し研究所」に間借りし、構想全体の
成否を見極めている段階だ。進出が相次ぐ一方で、経済情勢の厳しさを反映し、
退去した企業・団体も少なくない。
昨夏、政府主導でプロジェクトを進める韓国・大邱(てぐ)を視察した矢田立郎
市長は帰国後、職員に「アジアの新興地域に勝つには500社はいる」とハッパを
かけた。市は2015年度までに300社の集積を目指すが、市長の危機感は強い。
シンガポールや中国・上海、泰州でも国家プロジェクトの構想が進む。市は「国内の
規制緩和がどこまで進むかが成否を握る」と話す。
●画像 URLリンク(alp.jpn.org)
◎URLリンク(www.kobe-np.co.jp)
◎関連スレ
【IT】『FOCUSスパコン』、お披露目--神戸で計算科学センター完成 [04/06]
スレリンク(bizplus板)
【原子力/IT】六ケ所村のITER研究スパコン、仏大手が受注--世界トップクラスの計算性能 [04/14]
スレリンク(bizplus板)