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４月11日（ブルームバーグ）：中国ではトレーダーや投資家、ファンドマネジャーが
市場で優位に立とうと、間もなく発表される経済指標がどのような数字になるかを
めぐるうわさ集めに毎月、奔走する。
２月12日の土曜日、史宇氏はインターネットで１月の中国インフレ率が予想より低い
4.9％になるとのやり取りを目にした。友人２人も同じことを聞いたという。
14日の月曜日、中国本土株の指標、上海総合指数は2.5％高と、２カ月で最大の上げとなった。
物価上昇を抑えるため中国人民銀行（中央銀行）がさらに利上げする必要はないだろうとの観測が
背景だ。
翌15日の火曜日、中国国家統計局がネットで流れていたのと同じ数字を発表するまでに、
史氏は自身の取引で２％の利益を確保したという。
不動産開発会社、南京21世紀投資集団の投資マネジャーを務める史氏は
「中国では驚くより準備していた方が得策だ。投機のための好機がある」と話す。
上海を拠点とする証券担当弁護士、巌義明氏によれば、実際の発表前に流れる経済指標をめぐる
情報は正確な場合が多く、選別的に事前公表されているか、インサイダー取引の可能性がある。
「統計発表前に株式相場が奇妙な動きをすることがしばしばある」と言う。
クレディ・アグリコルＣＩＢの香港在勤シニアエコノミスト、ダリウス・コワルツィク氏は、
情報を先に得た投資家を不当に有利にするものだとし、世界２位の経済大国となった中国は
情報漏れを防ぐ必要があると主張する。同国の影響力増大は、その経済指標が世界の市場を
動かし得ることを意味するためだ。
■スキャンダル
バンク・オブ・アメリカ（ＢＯＡ）メリルリンチの香港在勤エコノミスト、陸挺氏は
「統計の数値をいち早く入手できる人たちは、利益につなげることが可能だ」と説明し、
当局に情報漏れの阻止を呼び掛ける。「極めて重要な問題だ。対応しなければ、遅かれ早かれ
スキャンダルに発展するだろう」と指摘する。
陸氏によれば、情報漏れは国家統計局が発表する全ての重要指標で起きている。
四半期ごとに発表される国内総生産（ＧＤＰ）に加え、月次の工業生産や生産者物価指数
（ＰＰＩ）などがこれに当たり、３月分のこうした統計は今月15日に発表される。
国家統計局の副局長だった賀鏗氏は、あまりにも多くの政府機関で公表前に統計が
閲覧されるために情報漏れが起こると分析する。
弁護士の巌氏によると、法の「抜け穴」が意味するところは、中国の法律が経済指標の
情報漏れに基づき利益を上げようとすることをインサイダー取引とは見なしていないことだという。
ソースは
URLﾘﾝｸ(www.bloomberg.co.jp)