【コラム】さよならウラン、こんにちはトリウム --谷口正次(資源・環境ジャーナリスト) [04/07]at BIZPLUS
【コラム】さよならウラン、こんにちはトリウム --谷口正次(資源・環境ジャーナリスト) [04/07] - 暇つぶし2ch3:ライトスタッフ◎φ ★
11/04/07 12:29:12.89
>>2の続き

しかし、オバマ大統領はこの計画を中止してしまった。自ら原子力発電所建設投資に
助成することを決めながら、核廃棄物はどうするつもりだろう。トリウムを勘定に
入れた政策とは考えられないだろうか。2009年4月5日には、チェコのプラハで
核廃絶宣言を行い、ノーベル平和賞も受賞した。トリウム原子力なら核兵器製造に
必要なプルトニウムが出ないので、核拡散防止につながる。それに廃棄物の量が
圧倒的に少ない。

米国には、オーストラリア、カザフスタン、カナダ、ニジェールといったウラン
産出国のように安く採掘・精製できるウランはない。しかし、2009年には、新しく
トリウム資源が見つかり、米国地質調査所(USGS)によると世界一の資源保有国に
なったと発表している。そのほか、米国がトリウム原子力を視野に入れている状況
証拠はいくつも出てきている。

ただし、今のところオバマ大統領もエネルギー省長官(Dr. チュー)も一言もトリウム
に言及していない。政治的な配慮であろう。共和党の政策、産業界のロビーストなど
抵抗勢力は多いので、迂闊に打ち出せないのではなかろうか。我が国とて同様な事情
があることは容易に想像できるというものだ。

しかし、このたびの福島原発事故が、今後の我が国の、いや世界の原子力政策に深刻な
ダメージを与えたことは間違いなかろう。今こそ、過去のしがらみを破り、目先の
ビジネスに拘泥しないように、新たな原子力政策を打ち出す絶好の機会である。
しかし、大型石油タンカーのように急に舵を切ることはできないのだろう。

■日本も潮流に乗り遅れないように願いたい

幸いにしてトリウムの燃焼は溶融塩炉だけでしかできないわけではない。既存の
ウラン型原子炉にもトリウムを装荷が可能ということである。徐々に燃料をウラン
からトリウムへ転換して行けばよい。高速増殖炉だけは止めなければいけない。

軽水炉型あるいはCANDU炉(カナダ型重水炉)などにトリウムと低濃縮ウランを使用
する研究開発などもすでにノルウェー、カナダ、中国、インドなどで始まっている。
特に中国、インドはウラン資源はないがトリウム資源は豊富である。エネルギー独立
のための国家戦略として力を入れているのは当然である。

日本も世界の潮流に乗り遅れないように願いたいものだ。特に、インドの西海岸に
多量に賦存するトリウム資源は、モナズ石という鉱物の中に6~9%入っているもの
であるが、甚だ好都合なことに、そのモナズ石の中には50%前後レア・アースが
入っているのである。トリウムの副産物としてレア・アースが取れるというわけだ。

一方、中国では、インドと異なるタイプの鉱床であるが、内モンゴル自治区の世界
最大のレア・アース鉱山に、厄介な廃棄物としてすでに推定4000トンのトリウムが
堆積しており、このトリウムを原子燃料に利用しようと動き出したのである。筆者は
2009年9月に内モンゴルのレア・アース鉱山に近い包頭で行われた「核燃料としての
トリウム利用に関する国際会議(TU2009)」に参加して中国の本気度を読み取った。
そして、1月25日の公式発表である。※続く



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