【コラム】さよならウラン、こんにちはトリウム --谷口正次(資源・環境ジャーナリスト) [04/07]at BIZPLUS
【コラム】さよならウラン、こんにちはトリウム --谷口正次(資源・環境ジャーナリスト) [04/07] - 暇つぶし2ch2:ライトスタッフ◎φ ★
11/04/07 12:28:49.47
>>1の続き

トリウムは連続的にウラン233を作ることによってトリウム自身の燃料を生み出し
(=増殖させ)、同じ量の燃料からウランの約90倍のエネルギーを生み出すことが
できる。ウラン233の核分裂反応によってプルトニウムその他核兵器製造原料を
発生することがない。トリウム溶融塩炉方式では、燃料が最初から溶融しているのだ
から、燃料棒のメルト・ダウンということはあり得ない。そして、核反応は冷却に
従って減速される。

新しい技術は、常に完成するまでに成熟したライバル技術と格闘することになる。
しかし、トリウムのライバルであるウランはすでにコスト面で沈没した。

最初の鉄道ができた時、コストあるいは信頼性で運河と競争できなかった。今こそ、
トリウムのポテンシャルを見いだすことを始める時だ。(by Matt Ridley)
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この記事は3月19日に掲載されたわけだから、中国のトリウム溶融塩炉のことに
言及してもよさそうなものだ。天下のWSJが知らなかったはずがないが、中国に
先を越されたことを米国民にあまり広めたくないという力学が働いたのだろうか。

トリウム溶融塩炉は、もともと米国が研究開発していたものだ。しかも、1965年
から1969年まで無事故で成功裏に実証試験を終えているのである。しかし、米ソ
冷戦時代、核兵器をつくるのに必要なプルトニウムが出ない原子燃料では困る。
それに、燃料棒の取替えで儲ける仕組みになっているのに、液体燃料の溶融塩炉では
企業としてうまみがない。当時、議会の公聴会で米ゼネラル・エレクトリック(GE)
の社長が証言したそうだ。

そして、ニクソン大統領は、溶融塩炉の開発責任者でオークリッジ国立研究所の
物理学者、ワインバーグを解雇して、トリウム原子炉を封印してしまった経緯がある。
このことを、デイリー・テレグラフの記事では、米国が「ボールを落としてしまった」
と表現したわけだ。

従って、中国科学院の発表で、溶融塩炉開発によって、知的所有権がすべて手に入る
と言っていることについては甚だ違和感を感ずる。

なお、中国科学院の責任者が記者に、ウラン原子炉は燃焼効率の悪い“石炭ストーブ”
のようなものだと説明した。これはウラン型の欠点を説明するのにとても分かりやすい
表現だ。それは、ストーブから排出される燃え残りの石炭殻のように、使用済み燃料の
中に燃えるものがまだたくさん残っているからだ。だから、使用済み核燃料の再処理
をして燃やしているわけだ。

福島第一原発の格納容器の上に驚くほど大量の使用済み燃料が保管されているのは
素人目にも異様だ。高レベル放射性廃棄物の最終処分場に難儀していることをうか
がわせる。

いずれにしても、ウラン型原子炉は技術の耐用年数が過ぎているのに、政治的力学に
よって何とか生き長らえさせようと悪戦苦闘している状態だ。経済合理性も失いつつ
あるのではなかろうか。

■オバマ大統領が言及しないのは、政治的な配慮か

ブッシュ政権時代には、「原子力ルネッサンス」を打ち出し、増える核廃棄物のために、
ネバダ州のユッカ・マウンテンに全米の核廃棄物を集めて貯蔵場の建設を計画した。
(※続く)



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