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池田信夫blog : 原子炉のイノベーション
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そこでまったく違う設計で事故を起こさない原子炉が開発されている。東芝傘下のウェスティングハウスは、
SMR(small modular reactor)という新しいタイプの原子炉を今年2月、発表した。
出力は20万kW級と現在の原子炉の約1/5で、部品がモジュール化されて大量生産でき、
ツーバイフォーの住宅のようにトラックで運んで組み立てるだけで建設できる。
SMRの特徴は、ECCSのような安全装置がなくても、炉内の温度が上がり過ぎると自動的に運転が止まる
受動的安全装置をつけたことだ。新興国に輸出する場合、オペレーターは十分な知識をもっていないが、
SMRはコンピュータで自動制御されるため、原理的に炉心溶融が起こらないという。
米エネルギー省のSteven Chu長官も、SMRを補助金などで支援する意向を表明している。
また東芝はビル・ゲイツ氏が出資する原発ベンチャー「テラパワー」と共同で、TWR(traveling-wave reactor)
と呼ばれる原子炉を開発すると発表した。この他にも、PBR(pebble bed reactor)など、
経済的で(原理的には)安全な原子炉の開発は進んでおり、軽水炉だけが唯一の原発というわけではない。
特集:原子力発電
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夢の原発「TWR」、実現への道(上) ベンチャー企業の挑戦
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欧米や日本などの国が主導する国際的な開発計画では,現在主流の軽水炉や将来の高速炉などの開発が
着実に進んでいる。現在は,2030年ごろの実現を目指して,第4世代と呼ばれる次世代炉を開発中だ(表1)[注1]。
ここでも経済性や持続性,核不拡散性などの目標が掲げられている。
表1 次世代の原子力発電システム 国が主導する国際的な開発計画とは別に,
企業や研究機関では新たな原子力発電システムの開発が進んでいる。
燃料の交換が30~100年間不要になるのが特徴で,早ければ2010年代後半にも登場しそうだ。
表中のイラストは,各社が提供。
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[注1] 第4世代炉の候補としては,超高温原子炉(VHTR)やナトリウム(Na)冷却炉(SFR),
ガス冷却高速炉(GFR),超臨界圧水冷却炉(SCWR),鉛合金冷却炉(LFR),溶融塩炉(MSR)がある。
このうち,VHTRやSFRに多くの国がかかわっている。
ゲイツ氏と次世代原発で協力 東芝、燃料交換せず100年運転
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TWRは燃料に劣化ウランを使用する。沸騰水型軽水炉(BWR)など従来の原発では数年ごとに燃料の交換が
必要だが、TWRは燃料を交換せずに50~100年間の長期運転が可能で安全性も比較的高いという。