11/03/25 14:30:43.94
東日本巨大地震の影響で、米沢牛などを育てている山形県内の畜産農家が深刻な飼料不足に陥っている。
供給を受けている宮城県の飼料生産販売会社の工場が地震被害で、稼働停止になっていることなどが
主な原因だ。
同社は、九州などから飼料を集めて補う方針というが、米沢牛生産者は「牛の肉質や生死にかかわる
深刻な問題」と訴えている。
地震発生から12日が過ぎた今月23日。
山に囲まれた川西町の「玉庭放牧場」で、JA山形おきたま・米沢牛振興部会長の大沼藤一さん(55)は、
肥育用の米沢牛50頭が住む自身の牛舎を見渡して、大きくため息をついた。
「地震以来、全く飼料が入ってこない」
普段は、トウモロコシや食塩などを配合した飼料を牛に与えている。
地震後は、備蓄分を使いながら配合飼料を半分に抑えて、麦やふすまで補っているが、量は平時の
7割程度という。
大沼さんが懸念しているのは、「最も霜降りが乗る大事な時期」という生後18~22か月の
「中期」の牛。
牛舎の牛の3分の1は「中期」だが、十分な栄養を摂取できずに霜降りが入らなければ、肉質が落ちる
という。
エサの質や量が変わったことと天候不順が重なり、体調を崩す牛もいる。
いつもと違う飼料を食べることで、胃の中の微生物が死んでしまい、胃腸に影響を及ぼすためだという。
この牧場のほかの牛舎では、備蓄していた飼料を切らしてしまっているところもあるという。
大沼さんは
「備蓄分もいつまで持つか分からない。肉牛がダイエットしても意味がない。こんなことは今までなかった」
と話す。
飼料生産販売会社「北日本くみあい飼料」(本社・仙台市)などによると、米沢牛を含む県内の多くの
畜産農家が使用する飼料は、同社の石巻工場(宮城県石巻市)で生産されてきた。
ただ、地震の影響で、同工場は操業を中止しているため、県内の農家へ飼料が届かない状態に陥っている。
再開には2か月程度かかる見通しといい、同社は、北海道や九州などの関連会社に掛け合い、
本県を含む東北地方の飼料確保に動いている。一部は既に酒田港に届いているが、普段の量を
補えるほどではないという。
また、「飼料があっても、ガソリン不足の影響で、満足に運搬ができない」(畜産農家関係者)という
問題もある。
県内の畜産農家は、各自の備蓄分で食いつないでいる状態が続くが、有効な対応策がないのが現状だ。
県畜産課の担当者は、
「飼料不足に対する抜本的な解決策はなく、県レベルでの援助や対策は難しい。今回は、飼料メーカー側の
調達努力に頼るしかない」としている。
ソースは
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
配合飼料に麦などを足したエサを食べる牛
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