11/03/24 19:58:46.20
-続きです-
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絵里子 私は家も別に裕福じゃなかったし、昔からあまり買い物とかせずに貯金するタイプ。
でも入社したらすごいお嬢様とかいっぱいいて、びっくりしたわね。
咲子 確かにいい時代でしたね。私は結婚が早かったので、貯金などもしていたけれど、同期で貯金なんかない人はたくさんいます。いずれ結婚して養ってもらうからいいと思っていたんでしょうね。
麻衣 私の夫はお金に関して厳しいほうで、つきあってるときもデートは一部ワリカン。
結婚したときに「そんなケチな男でいいの?」って言っていた先輩が、
いまは「誰かご主人のお友達でいい人がいたら紹介してね……」って言うの。
でも、口では「婚活」と言っていても、私の周りはまだ血みどろの婚活はしていないような気がしますね。
―やっぱり、おいしいワインをおごってくれるような男性じゃなきゃイヤとか、いろいろ条件があるんでしょうか。
梨香 でしょうね。JALは2人に1人は離婚しているし、独身も多い。3回までは離婚OKと言われています。
今回辞めたのは結婚して子供がいる人か、おうちが裕福で「実家に帰ってのんびりしたい。
ママのご飯を食べたい」なんていう人。といっても48歳とかですけど。
ただ、バツイチのシングルマザーとかは本当に大変みたいですね。
絵里子 本当に何もかもが厳しくなった。私が若いころは行きも帰りもタクシーだったのに、
今は始発電車にごろごろカートをひきずって乗って、それからブリーフィングなども含めて20時間勤務
ですから。羽田や成田のそばに引っ越している人も多いです。
麻衣 私も体で感じていますね。08年のロサンゼルスへのフライトは2泊だったのがいまは1泊3日になった。
体力的にすごくきつい。
梨香 破綻してから世間の目も厳しいです。成田の免税店で化粧品を買うのもダメ。
制服で空港の鮨屋にいたら「国の税金で贅沢するな」って絡まれた同期もいる。
もちろん「がんばってね』って優しく声をかけてくれる方もいますけれど。
ステイ先の買い物や食事も、派手な行動は慎むようにと言われました。耳につける真珠のピアスも
6ミリ玉から5ミリ以下に制限されて、ヘアスタイルも、高い髷のできる「夜会巻き」は禁止です。
でも、チーフが真面目な顔で髪に定規をさして、「2.5センチね」ってやっている会社もどうかと
思うんですよ。世間に叩かれるからといっても、髷が低くなって、真珠が1ミリ小さくなったら
お客様が喜ぶのかしら。努力の方向が違っているような気がします。
―お給料もカットになるんですよね。
絵里子 はい。最盛期では30代で年収1000万円くらい当たり前に貰っていたのに、4月からは半分。
私は両親を養っているし、何があっても辞められない。基本的に健康で、病気をしても有給を
使ってきたので、今回残れたけれど、先行きは暗いです。
咲子 サービスの質も落ちましたね。ちょっと前はお客様が1人クレームしただけで、そのフライトは失敗という敗北感があった。それほど完璧を求められていたんです。
でもJALだから余計に期待されているところもありました。機内食のトレーに髪の毛1本落ちていても
土下座するほどの騒ぎで、いつどこで、どうやって、なぜ入ったか、全部報告しなくちゃいけなかった。
今、先輩でレストランのマネジャーをしている人がいるんですけれど、「お客さんで髪の毛一本で
大騒ぎする人はいない」と驚いていました。
-続きます-