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茨城県産のホウレンソウと福島県産の牛乳から、暫定規制値を超える放射性物質が検出された
ことで、政府は一定区域内での出荷制限の検討に入った。
茨城県産のホウレンソウは東京の主要市場で3割のシェア(占有率)を持ち、影響は小さくない。
政府は「健康に問題ない」と説明しているが、国民の健康を守り、無責任な風評被害を防ぐために、
今後は正確な情報開示が求められる。
◇農業県
農林水産省によると、茨城県の農業産出額は4170億円で北海道に次ぎ全国2位だ。首都圏の
台所を支える有力な農業県で、ホウレンソウだけでなく、東京中央卸売市場に入荷したハクサイ
の55%、レタスの39%、ピーマンの31%を占める。
福島県の農業産出額は2450億円と全国11位で、コメやキュウリのほか、モモ、ナシ、
りんごなど果樹の生産が盛んだ。鶏卵や豚肉など、畜産業を営む農家も多い。
農水省は「日本全体の食料需給に、すぐに大きな影響を与えることはない」というが、今後の
供給には不安も残る。
厚生労働省による今回の食品サンプル調査は、食品衛生法に基づいて行われており、規制値を
超える放射性物質が検出されたとしても、農家ごとなど狭い範囲の出荷制限しかかけられない。
原子力発電所の事故にともなう異常値とすれば、影響は広い範囲に及ぶことも考えられる。
◇逆風
このため政府は、原子力災害対策特別措置法に基づき、一定区域内の農産物を対象に、一時的な
出荷制限をかける検討に入った。
具体的には、ホウレンソウやコマツナなどの葉もの野菜について茨城、福島両県全域に、牛乳に
ついては福島県全域に、それぞれ検査の区域や対象品目を拡大して安全性の確認を急ぐ方針だ。
安全を確認するまで出荷に制限がかかれば、「一時的に供給不足となり、値上がりなどの影響
が出るのは避けられない」(農水省)との指摘がある。
一方、日本の農産品輸出への影響も懸念される。政府は、2010年に4921億円だった
農林水産物の輸出額を、17年までに1兆円に増やす目標を掲げて輸出を後押ししてきた。
だが、原発事故後、欧州連合(EU)が加盟国に日本産品への放射能検査強化を勧告したほか、
中国などアジア各国で放射能検査が広がるなど、輸入国は日増しに警戒を強めている。
今回検出された放射性物質の数値は、国内基準だけでなく、世界保健機関(WHO)と食糧
農業機関(FAO)の下部組織が策定した国際指標も上回っている。「安心・安全」な品質で
人気を集めてきた日本の農産品が、思わぬ逆風にさらされている。
(寺村暁人、五十棲忠史)
(2011年3月20日01時41分 読売新聞)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
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