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福井県の有効求人倍率が全国トップを切って1倍台に回復した要因には、繊維や眼鏡など主要産業の受注増があるとみられる。
ただ正社員の有効求人倍率は、2008年のリーマン・ショック以前の水準までには回復しておらず、
企業は景気の先行きに慎重な姿勢を崩していない。
■失業率も改善■
1月の産業別新規求人数をみると、繊維工業は前年同月比123・9%増で、13カ月連続で伸びている。
リーマン・ショック後、県内の織物生産量は約3割減ったが、
現在は大手アパレルメーカーの薄手のダウンジャケットの生地生産を受注した企業をはじめ、
県内の多くの織布企業が機械をフル稼働させている。ある社は「リーマン・ショック後に2割減らした従業員を1割戻した」と話す。
また1月の眼鏡等製造業の新規求人数は同120・7%増で、14カ月連続の伸び。
複数の眼鏡製造業者は「中国全体の人件費が上昇し中国での雇用の確保が難しくなったため、国内生産に移行した」と話す。
県が1日発表した1月の県内の完全失業率は前月比0・3ポイント減の2・7%で、2カ月連続で改善した。
■先行き不透明■
ただ、有効求人倍率の数字が正社員の雇用につながっているかどうかは不透明。
1月の本県の有効求人数のうち正社員の割合は41・6%で、リーマン・ショック前の08年8月の47・4%を下回る。
有効求人倍率が上昇傾向にあった昨年1年間をみても、正社員の求人割合は39・3%~42・4%と低調に推移している。
パートなど非正規社員を含めた1月の有効求人倍率は、2位の富山県を0・16ポイント上回り、
全国では抜きんでているが、全国の正社員の求人割合をみると45・0%で、本県はそれを下回っている。
一方、本県の1月の有効求職者数のうち正社員希望者が占める割合は66・0%。
正社員求人割合を大きく上回っており、雇用する側とされる側のミスマッチは解消されていない。
福井労働局は「求職者の多くは正社員を望んでいるが、まだ戻り切れていないのが現状。
今後は求人数だけでなく正社員の求人を促進していきたい」と話す。
また今後の見通しについては「繊維、眼鏡など本県の基幹産業が求人を押し上げているとみられるが、
ガソリンの値上げなど原材料価格の動きが雇用に影響を与えることも考えられる」と慎重な見方を崩していない。
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