11/02/11 22:37:28
日本の公的債務残高が先進国の歴史上、最悪の水準に迫りつつあることが分かった。
国際通貨基金(IMF)によると、地方も含む一般政府の債務残高は2009年に
国内総生産(GDP)の217%に達し、統計で確認できる1875年以降で最悪と
なった。このまま債務が増え続けると、5年程度で第2次世界大戦直後の英国を
抜き、先進国史上、最も悪い状況に陥る可能性がある。
IMFが一部の国を除き1800年代から債務残高のGDP比を算出した。
戦争前後のドイツやフランスのデータは一部欠落している。
■既に戦前を抜く
日本は戦前に戦費調達のため債務が大きく膨らみ、1942年にGDPの105%、
43年に133%、44年に204%に達した。戦後、急速なインフレにより国債の実質
価値が縮小して46年には56%に急低下したが、70年代からほぼ一貫して上昇。
96年にはGDPと同規模になり、2009年に1944年の記録を抜いた。1月公表の
最新推計によると、2012年には232%に達する。
日本以外の先進国では英国が1946年にGDPの269%まで債務残高が積み上がった。
天文学的なインフレに陥ったドイツを除くと、これが先進国史上、最悪の水準と
みられる。2013年以降、日本の債務が直近5年間と同じペースで増え続けると
仮定すると、2016年に277%となり、終戦直後の英国の記録を抜く計算となる。
英国はその後、財政悪化やインフレに見舞われ、「英国病」と呼ばれる停滞期に
入った。
■着実な削減必要
経常黒字国の日本は国債の95%以上を国内で保有し、長期金利は欧米諸国より
低い水準で抑えられている。ただ、国と地方の政策経費を税収だけで賄えず、
2011年度は約27兆円の財源が不足している状況。財源不足は新たな借金で
穴埋めするため、基本的に財源不足を解消しない限り、債務残高が増え続ける。
政府試算では成長戦略による税収増を当て込んでも2020年度に 16兆円の財源
不足が残る計算だ。
歴史上、巨額の債務を抱える国は、急速なインフレによる調整か債務不履行
(デフォルト)に追い込まれる例が多い。三菱総合研究所の武田洋子シニア
エコノミストは「インフレによって名目成長率を高めて税収を増やせば、
債務負担が楽になるが、短期的に実現するのは難しい」と指摘。「成長戦略で
デフレ脱却を進めつつ、現実的な視点で財政再建の取り組みを着実に進める
しかない」と話している。
●グラフ URLリンク(alp.jpn.org)
◎URLリンク(www.nikkei.com)
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