11/02/05 20:56:56
宿泊客にゲームソフトを貸し出した神戸市内のホテルが、著作権法違反(上映権侵害)の疑いで摘発を受け、
ネット上では、「どこもやってそうなのに」と疑問の声が噴出している。これに対し、警察側は、「ソフト制作には
金がかかっており、業界の処罰意識は高い」と説明し、刑事告訴があったので捜査したと言っている。
摘発されたホテルは、2010年9~11月まで、宿泊客への無料サービスとしてゲーム機やソフトを貸し出していた。
■任天堂などがホテルを刑事告訴
貸し出されたのは、「マリオカートWii」や「バイオハザード5」など4作品。少なくとも4人がこれらを借りて室内の
テレビで楽しんだことが分かっており、兵庫県警生田署などは11年2月1日、ホテルの役員男性(23)を逮捕した。
(途中略)
役員逮捕が新聞各紙に報じられると、ネット上では、摘発への疑問が相次いだ。ほかのホテルでもゲームを
借りたとの声が出ており、「なんで目くじらたてるの?」「やり過ぎだろ」と違和感が強いようなのだ。
生田署の担当者は、ホテルで著作権者の許可なく貸し出すのは、法に触れると強調する。
「家族などに貸したりするのは、問題はありません。しかし、ホテルが無料で貸したとしても、それは客を呼ぶための
営利目的になります」
このホテルを敢えて摘発したのは、ゲームソフト会社から刑事告訴があったからだと説明した。
それによると、同署が立ち入り調査後、著作権法違反についてコンピュータソフトウェア著作権協会に照会。
協会では、ソフトを制作した任天堂、カプコン、コーエーテクモゲームスの3社をとりまとめ、各社が1月20日に
告訴に踏み切った。
■ホテル業界には貸し出しが広がっている?
告訴の事情について、生田署では、次のように説明する。
「ゲームソフト業界の処罰意識は、とても高いものがありました。ソフトを作るのには多額の金がかかっており、
貸し出しを見逃すとビジネスに差し支えるということです」
コンピュータソフトウェア著作権協会によると、ゲームソフト貸し出しでホテルが摘発された例は、2002年7月に
1件だけある。愛知県内のホテルがそうで、しかし、このときは、役員男性らが書類送検されたのみだった。
今回、なぜ逮捕したかについては、生田署の担当者は、こう説明する。
「『著作権侵害になるとは思わなかった』と故意性について当初否認しており、証拠隠滅の可能性が高いと判断
したことがあります。ファミリー経営企業でもあり、口裏合わせの恐れもありました」
ゲーム貸し出しについては、まんが喫茶やネットカフェは、業界団体の日本複合カフェ協会を通じて、著作権者の
許可を得ている。しかし、コンピュータソフトウェア著作権協会によると、ホテル業界にはこうしたものがないという。
まとまったニーズがないからというが、個々には貸し出しサービスが広がっている可能性はありそうだ。
そんな中で摘発が2件に留まっていることについて、協会の広報担当者は、「警察が立ち入るなどしてしか、
裏が取れないこともあると思います。告訴するかは、それぞれの著作権者の判断ということもあります」と言う。
今回告訴に踏み切った任天堂でも、「確かに、氷山の一角かもしれません。しかし、警察から照会がある場合などに
排除するしかできないのも事実です」(広報室)と話している。
J-CASTニュース
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