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四日市市大矢知地区で古くから作られてきた県の地場産品の手延べそうめん。
太いタイプのうどんやきしめんが、県外の客から人気を集めている。
需要の低下や後継者不足など明るい話題の少ない業界で、消費拡大が期待されている。
4、5の両日に同市のじばさん三重で開かれた「うどん・きしめんフェア」。
大矢知産をはじめ、お値打ち価格の品が並ぶ会場で、太麺を手に取る県外の客が目立った。
名古屋市の50代の会社員男性はきしめんを買い込んだ。名古屋はきしめんの本場だが、男性は
「コシの強さが違う。周りから頼まれた分も調達しに来た」と満足げ。
うどんを手に取った岐阜県の40代の主婦も「煮込んでも歯応えが残るので鍋にぴったり」と手延べ麺ならではの特長に
魅力を感じていた。
じばさん三重の山中弘之店長は「そうめんより乾めんを好む人に選ばれているようだ」と分析する。
夏場に需要が集まるそうめんや冷や麦に比べて、太麺は1年を通して売れるという。
大矢知の手延べそうめん作りは、200年以上前から続く。一本一本を手作業で丹念に仕上げるのが強いコシの秘訣。
麺が縮んで作業しやすい冬場、職人たちは早朝の冷え込む時間帯に作業し、昔ながらの天日干しをする。
生産拡大を狙って太麺の生産に取り組み始めたのは昭和30年代。
冷や麦が誕生し、数年後には、うどんやきしめんも作られるようになった。
四日市市蒔田で3代に渡って手掛ける葛山正博さん(70)は、秋から冬にかけて太麺の生産に力を入れる。
「毎シーズン、北海道から九州まで注文が入る。地元より要望は多い」と麺を裁く手に力がこもる。
全国に根強いファンはいるものの、業界は厳しさを増すばかり。
生産者組合の1つ、三重の糸大矢知手延素麺協同組合の渡辺文夫代表(77)は
「後継者も減って全体の生産量は減り続けている」と寂しそうにつぶやく。
それだけに県外からの人気はせめてもの明るい話題。
渡辺代表は「伝統の味は引き継いでいきたい。評判が広まって少しでも消費の拡大につながれば」と期待している。
▽ソース:中日新聞(CHUNICHI Web) (2010/12/27)
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