10/12/15 08:46:36
菅直人首相は14日、国営諫早湾干拓事業(長崎県)で潮受け堤防排水門の5年間の開門を命じた
福岡高裁判決について、上告を断念する方針を固めた。
判決は確定し、干拓の事業主体の農林水産省は2012年度にも長期開門調査を実施、常時開門となる
方向。段階的な開門は認めるという同省の路線を抜本的に転換する判断だ。
上告期限は今月20日。菅内閣は17日の閣議で上告断念を正式決定する。
それに先立ち鹿野道彦農水相らが16日にも長崎県を訪れ、開門に反対している中村法道知事らに
上告断念の方針を伝える方向だ。
50年以上前に構想が浮上し「止まらない大型公共事業の典型」といわれた事業は大きな転換点を
迎えた。菅首相は諫早干拓事業を「公共事業見直しの象徴」と位置づけていた。
農水省は1年以上の期間をかける長期開門調査を実施する方針を固めていた。
その際には、門の開き具合や開く期間で水量を調節する段階的な開門方法を採用する考えだった。
だが、6日の福岡高裁判決で命じられた「5年間の常時開門」と異なるため、同省は上告する方向で
検討を続けていた。
しかし、菅首相は野党時代から諫早湾の干拓問題に強い関心を示し、何度も現地を視察。
02年には「一般国民は誰も干拓事業が必要とは思っていない。進めたいのは予算を消化して
天下り先を確保している農水省と業者から献金を受けている族議員だけ」と批判。
今回の判決後の7日には「私にとっても大変長い間取り組んできた問題であり、いろいろな場面が
思い出される。判決への対応を検討していきたい」と記者団に語っていた。
最終的には首相が、「開門調査はするが、開門を命じた判決は受け入れない」という農水省の方針を
受け入れず、上告断念が固まった。
農水省と与党が設置した検討委員会は4月に「環境影響評価(アセスメント)の上で開門調査を
実施することが適当」とする報告書をまとめていた。
その過程では、開門調査の方式を3パターンに分けて検討。
その結果、当初から門を全開する方式では、堤防の閉め切りでできた調整池の汚れた淡水が一気に
海に流れ込むため、漁業や防災面で悪影響を与えるとされ、対策費が600億円以上かかると
試算していた。
潮受け堤防から離れた地域の佐賀県などの漁業者は、有明海での漁業悪化の原因を干拓事業と疑い、
開門を強く求めてきた。
一方、干拓地で営農する農業者や長崎県側は開門に一貫して反対しており、開門調査の問題は
長年地元を二分してきた。民主党内でも佐賀県連と長崎県連で対応が分かれている。
ソースは
URLリンク(www.asahi.com)
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