10/12/10 22:10:45
●カネを生み出す人員確保はメーカー、銀行にも波及
伊藤忠商事の12年ぶりのドラスチックな組織改革が話題になっている。
本社管理部門のメンバーの約3割を営業現場に異動させるほか、7部門あるカンパニーを
削減、組織のスリム化を図るというものだ。
今年4月に就任した岡藤正広社長の「2年目の施政方針」とみられている。改革の狙いは、
経営判断のスピードアップ、効率化だというが、内情はどうなっているのか。
「岡藤色をはっきり出すには組織&人を動かすのが一番手っ取り早い。営業重視の攻めの姿勢
を鮮明にするのが真の狙いでしょう。米韓の自由貿易協定(FTA)の合意で、日本企業は
大変な危機意識を抱いています。カネを生み出さない管理部門の肥大化は、真っ先にメスを
入れる対象だったのです。“会議なんかに時間をかけるのはムダ”というポリシーの岡藤さん
にしてみれば、当然の帰結でしょう。同時に、国際競争が激化する中で、トップの意向が直ち
に現場に浸透する組織にしようという思いがあるのは間違いありません」(ジャーナリスト・
有森隆氏)
対象は「40代から50代ではないか」(商社関係者)といわれている。総務、人事、業務
など管理部門の社員にとっては、会社に残れるかどうかの試金石になりかねない。
「いきなり営業現場に放り込まれるのだから、プレッシャーはかなりのもの。実績を上げられ
ない社員は、辞めざるを得ない状況に追い込まれていく。そんなシビアな改革です」(前出の
関係者)
こうした動きは伊藤忠にとどまらず、今後ますます拡大していく。
「どの会社も管理部門の肥大化が課題になっています。さらに新興国市場の拡大、需要増大に
伴い、現地トップから営業の前線まで優秀な社員を送り込もうという動きも出てきている。
40代、50代だからといって本社に安穏としていられる時代ではないのです。商社だけでな
く、メガバンクやメーカーにも確実に広まっていくでしょうね」(有森隆氏)
40、50代サラリーマンにとっては、決して他人事ではない。再び、営業の最前線で体力
勝負という事態を覚悟しておいた方がいい。
(日刊ゲンダイ2010年12月6日掲載)
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