【書評】『デフレの正体』(藻谷浩介・日本政策投資銀行) データで見る日本経済の本当の病状 [10/10/23]at BIZPLUS
【書評】『デフレの正体』(藻谷浩介・日本政策投資銀行) データで見る日本経済の本当の病状 [10/10/23] - 暇つぶし2ch2:@@@ハリケーン@@@φ ★
10/10/26 17:41:15
>>1のつづき

 予断を持たずにデータを見ることが重要と説く藻谷氏が指摘する日本の大問題が、まさに
これから激動が始まる「人口の波」だ。1945~50年の5年間に、約1100万人の日本人が生まれ
た。いわゆる「団塊の世代」だ。日本経済の転機は、ほぼ例外なくこの世代の人々の行動に
よって引き起こされてきたことが、データから見て取れる。この世代が就労年齢に達し労働
人口が一気に増えたことで高度経済成長が起き、この世代が家を持つ年齢に達した頃に住宅
バブルが起きる。

 そして、昨今の日本の経済停滞も、この人口の波の移動によって引き起こされていると藻谷
氏は説く。02年~06年の戦後最長の好景気で日本は輸出を大幅に増やし、それによって高齢
富裕層の個人所得は増加した。しかし、老後の不安を抱える高齢者は、積極的な消費は行わ
ない。そのため輸出は増加するが、内需が一向に拡大しない。それが、大半の日本人が景気
拡大の恩恵に浴することができない理由だったと藻谷氏は言う。

 消費が落ち込んでいるにもかかわらず過剰な生産が続くと、在庫が増え価格競争が激しく
なる。その結果、商品やサービスの価格は下がる。そう考えると、今起きているのはデフレ
ではなく「ミクロ経済学上の値崩れ」ではないか、これが、藻谷氏の主張する『デフレの正体
』だ。

 景気の循環をも飲み込む「人口の波」は、今後も深刻な問題を引き起こし続ける。一番の
問題は、今まさに団塊の世代が就労年齢を過ぎ、労働人口が急激に減ること。そして、それが
近い将来、一斉に要介護年齢に達することだ。団塊世代の大半が要介護年齢に達する頃に、
今度は団塊ジュニア世代が引退の年齢を迎え始める。その2つの大きな山を、それより遙かに
少ない労働人口が支えていかなければならない。これが今日の日本経済が抱える最大の課題
だと、藻谷氏は言う。

 そうした試練を乗り越えるための秘策として藻谷氏は、高齢者から若者への所得移転、女性
の就労や経営参加の推進、外国人観光客や短期定住者の招来の3つをあげるが、果たして日本
はそれを実現できるのだろうか。

<以下略>

-以上-


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