【コラム】「大人、もっと頑張れ!」--中学1年生作家とNYタイムズに見抜かれた“デフレ日本”に巣食う大人たちの甘え(岸博幸) [10/24] at BIZPLUS
【コラム】「大人、もっと頑張れ!」--中学1年生作家とNYタイムズに見抜かれた“デフレ日本”に巣食う大人たちの甘え(岸博幸) [10/24] - 暇つぶし2ch1:ライトスタッフ◎φ ★
10/10/24 12:47:31
先週のニューヨーク(NY)タイムズに、日本に関するショッキングな記事が出ていました。
「The Great Deflation:Japan Goes From Dynamic to Disheartened(長いデフレ
:日本のダイナミックから落胆への転落)」というタイトルの記事なのですが、この
記事を元に、デフレのもたらす問題について考えてみたいと思います。

■デフレによる社会の劣化

この記事では、長引くデフレが日本の経済面のみならず社会面にも悪影響を及ぼしている
という事実が客観的に書かれています。非常に長い記事なのですが、正鵠を射ていると
思うので、以下に記事の要点だけあげます。

●1980年代の日本はアジアを代表する国だったのに、今や低成長とデフレに喘いでいる。
 20年で経済状況がここまで悪化してしまった国は、近年では日本しかない。

●過剰債務の解消に苦しむ米国も日本と同じ途を辿るのだろうか。多くのエコノミストは
 否定的だが、デフレの罠にはまって“日本化”(Japanification)してしまう危険性を
 指摘する声もある。

●デフレは日本人に悲観論、運命論、将来期待の低下といった文化を刷り込んでしまった。
 最大のインパクトは自信の喪失である。20年前のような野心はなくなり、疲労、将来
 不安、重苦しいあきらめの雰囲気が充満している。

●昨年の政権交代など、日本もようやく危機に目覚めつつあるが、手遅れかもしれない。
 良い時代を知らず、仕事の安定や生活水準の向上といった、かつては当たり前だった
 価値観をあきらめた若者世代を作り出してしまったからである。生活水準が徐々に
 低下する中で、若者の間では倹約が当たり前となり、若い男子は草食動物と言われたり
 もする。

●世界が日本から学ぶべき教訓は、デフレが長引くと、かつて繁栄しダイナミックで
 あった国も、深刻な社会的・文化的な退潮に陥るということである。今や日本人は
 将来に悲観し、リスクを取ることを恐れ、消費や投資にも後ろ向きになってしまった。

●デフレは資本主義経済に必要なリスクテイクの精神を破壊し、“創造的破壊”の代わり
 に“破壊的破壊”を台頭させてしまった。

この記事は、問題の本質を的確に指摘しているのではないでしょうか。日本経済は15年も
ずっとデフレから脱却できていません。デフレの影響としては、モノが安くなるという
プラス面と、負債の実質価値の増大などのマイナス面の両方がよく指摘されますが、
それが15年も続くと、経済を超えて社会に対して悪影響が生じるのです。

そして、重要なのは、将来期待の低下、リスクテイクの回避といった社会的な悪影響が
消費や投資の抑制といった行動を通じて経済の足を引っ張る中で、円高が進んでいる
ことです。

そう考えると、よく“15年ぶりの円高”と報道されていますが、15年前とはインパクトが
格段に違うことに留意すべきです。15年前は、まだ日本の経済や社会はデフレの入り口に
いただけで、今ほど痛んではいなかったのです。ところが、今や15年に渡るデフレで、
地方経済や中小企業を中心に日本経済は体力をかなり消耗してしまいました。そのタイ
ミングでの円高は、経済と社会の双方に一層の悪影響を及ぼします。(※続く)

◎岸博幸のクリエイティブ国富論
URLリンク(diamond.jp)


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