10/10/21 13:58:00
世界的にレアアースの価格が高騰する中、中国では密輸出が横行している。
関係者によると、年間約2万トンのレアアースが国外に(不正)流出しているという。
■偽装、贈賄、合金化
中国では2006年から、レアアースの輸出制限が始まり、現在、総輸出量は3万258トンとなって
昨年に比べて2万トン以上減少した。この(供給量では世界一となる中国による)輸出量減少の影響で
国際価格は急騰、巨額の利益を得ようと密輸する人が後を絶たない。あるデータでは06~08年の間、
国内消費分と正規輸出分を差し引いても、なお数万トンのレアアースが行方不明の状態だという。
最近では、レアアース4000トンを赤色酸化鉄と偽って輸出しようとして摘発された例もある。
また広西チワン族自治区南寧市の税関が検挙した事案でも、約4196トン、約1億900万元
(約13億3200万円)相当のレアアースが、ほかの品だと偽って密輸されるところだった。
摘発例をみると、不正な輸出を行う多くがレアアースの専門家だ。珪藻(けいそう)土や硫酸アルミなど、
一見似ている品と偽って通関させたり、税関係員を贈賄で抱き込み、密輸を行っているという。
業界アナリストによれば「商社や生産企業も密輸をしている」という。
摘発を避けるため、他企業に輸出業務を委託し、表面に出てこないケースも多い。
また、輸出量の割り当て制限がないレアアース合金を輸出、あるいは輸出後にレアアースを分離して
取り出す方法も、海外流出の主要経路になっている。
■税関管理機能せず
(中国共産党の高級幹部を養成する)中央党校で国際戦略論が専門の李兵氏は
「密輸されているレアアース2万トンは、正規輸出量の3分の1に相当する」と指摘する。
その上で李氏は、中国のレアアース埋蔵量は世界の30%以下であり、「流出を管理できなければ、
将来は輸入せざるを得ず、数十倍、数百倍の代価を払うことになる。欧米諸国から戦略的に制限を受ける
可能性もある」と警鐘を鳴らす。だが、レアアースの管理は非常に困難だ。
莫大(ばくだい)な貨物量を取り扱う税関で、レアアースの密輸を取り締まるのは不可能に近い。
さらに、税関における税番(関税分類)の不備という問題もある。レアアース製品の種類は日ごとに
増加しているが、輸出税番はわずか四十数個しかない。
一部製品は輸出税番が一致せず、万全な監督・管理ができる体制ではない。
これが資源の流出を招く一因でもある。
ソースは
URLリンク(www.sankeibiz.jp)
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