10/10/16 23:59:31
四川省の成都での反日デモで当初、イトーヨーカ堂や伊勢丹の店舗がある商業地域に集まった参加者は200~300人だった。
だが、その後、インターネットを通じた呼びかけに応じて大学生を中心とした若者が次々と参加、規模が膨れあがった。
中国での大規模な反日デモは2005年4月以来。
日系スーパーや現地に直営店を持つ日系メーカーは警戒感を強めている。
ネットで呼びかけられたデモの集合時間は午後2時(日本時間同3時)。
「釣魚島(尖閣諸島の中国名)を返せ」などの横断幕を掲げた若者らに対し、対応した公安関係者は数十人規模。
デモ参加者がペットボトルを公安関係者に投げつけるなど小競り合いはあったが、当局の取り締まりが厳しくないと見ると、
「デモが本当にあるか半信半疑だった」(20代女性)若者が相次ぎ参加した。
デモ隊は市中心部の4車線の大通りを数百メートルにわたって埋め尽くし、「日本人は出て行け」「日本製品は買うな」などと叫んで練り歩いた。
デモを眺めていた成都在住の30代の女性は「若者が興奮し過ぎて怖い感じだった」と話した。
1号店を取り囲まれたイトーヨーカ堂の三枝富博総経理は「05年のデモよりも脅威を感じた」と語る。
ガラスを割られるなどの被害が出る中、暴動発生から約30分で買い物客を店外に避難させて閉店し、デモの沈静化を待った。
成都のヨーカ堂は05年4月に中国各地で起きたデモでも被害を受けたが、「今回の規模は05年の数倍に達する」(ヨーカ堂幹部)。
隣の伊勢丹の店舗も夕方に営業を停止した。
新華社によると、西安市の暴動ではデモ隊がスポーツ用品のミズノの販売店に侵入した。
日系スーパーや直営店を持つメーカーは対応に動き出した。
日系スーパー幹部は「公安当局と密接に連携を取って警備を強化する」と明かす。
トヨタ自動車の中国法人は「日本人同士で団体行動を控えるなど安全を注意するよう呼びかけている」と話す。
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を巡っては、レアアース(希土類)の対日輸出が滞り、
日中間の貨物の税関で抜き取り検査が増えて遅延が頻発するなどのトラブルが起きたが、ビジネスでは正常化に向けた動きが加速していた。
それだけに今回のデモの衝撃は大きい。
「これまでの税関を巡るトラブルは損失がほとんど出なかったが、反日デモの動きが05年のように全国で広がれば、日本企業の収益にも悪影響が出る恐れもある」と大手商社幹部は指摘する。
ソース:日本経済新聞
URLリンク(www.nikkei.com)