10/10/16 09:21:52
■進学実績しのぎ削る
“県立高王国”とも称されてきた県内で、私立中高一貫校が勢いを増している。
2011年度の私立中の学年定員は、見込みベースで3447人。3年間で3割も
増加している。難関大学受験コースの新設など、進学校としてのイメージ戦略にも
余念がない。少子化が進む中、優秀な生徒を囲い込むためだ。県内の高校地勢図が
塗り替えられる可能性も出てきた。
■「県立高王国」地勢図変化も
08年に9人の東大合格者を出して、関係者の注目を集めた中高一貫校・開智中
(さいたま市岩槻区)。13日に開かれた学校説明会には、100人を超す保護者が
詰めかけ、担当者の言葉に聞き入った。「大学受験に何が必要かを見据えたカリキュ
ラムがあります」「開成中など私立御三家との併願受験も増えています」
大宮区の主婦は「進学実績は県立の上位高にもひけをとらない」と興味津々。
横浜市から来たという母親も「伸びている進学校だと塾に薦められた。息子を
通わせたい」と鼻息が荒い。
同校の母体は1983年開校の埼玉第一高。97年に開智中を新設してから、
着々と進学校への転身を図った。99年に高校名も開智に変え、順調に進学実績を
伸ばした。09年には、中学の学年定員を80人増の240人に引き上げると同時に、
一般生徒とは別募集の「先端クラス」(30人)も新設。来春には加須市に姉妹校の
開智未来中・高を開く。
県立高に先んじて優秀な生徒を獲得し、進学実績を上げようと、各校がしのぎを
削っている。埼玉県内の私学は従来、高校が主体で、長らく県立高の受け皿に
甘んじていたが、出生率が減少に転じた1990年代後半から、“進学校化”を
志向する学校が増えた。
ゆとり教育による公立中離れもあって中学新設が加速。増員も相次ぐ。昨年なら、
大宮開成、大妻嵐山、城西川越が30~40人、浦和実業は60人増やした。
来年は栄東が120人、西武学園文理が61人を予定する。受験難易度が下がらない
よう、増員と同時に一般生徒とは別枠の特別コースを新設する学校が目立つ。
こうした動きの「引き金」と関係者が口をそろえるのが、04年に栄東中(見沼区)が
募集を開始した「東大クラス」(約30人)だ。大手受験塾「栄光ゼミナール」の
山中亨・進学情報担当課長は「身もふたもない名前だけに、インパクトは大きかった」
と指摘する。
同中の井上和明教頭は「東大クラス効果で一般クラスや高校募集の人気も高まった」
と話す。栄東高は09年、11人の東大合格者を出した。県内私学初の2けたで、
県立難関高として知られる川越(10人)や大宮(6人)を上回った。県立トップの
浦和(36人)に並ぶのが目標という。
「今は質量ともに県立王国。私学生は県内中学生の1割弱だが、いずれ東京並みの
2割に上がるのでは」と山中課長は予測する。県内私立の多くは受験日が1月。
2月中心の都内校との併願に便利だ。授業料も都内校より低めにするなどの工夫もあり、
県外での人気も高まっているという。
●グラフ URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
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