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(2010年9月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
レアアース(希土類)産業の中国独占体制に対する懸念の高まりに対応し、米国が急ぎ、防衛装備や
環境技術に欠かせない原材料であるレアアースの生産を再開しようとしている。
レアアースの生産量の90%以上を占める中国が、輸出制限に踏み切ったことを受けての動きだ。
■代替材料の開発や利用効率引き上げも検討
レアアースは、精密誘導兵器や暗視、レーダー装置、さらにはハイブリッド車、風力発電機といった
環境技術など、様々な高度技術に幅広く利用されている。ユーロピウム、イットリウム、ランタンをはじめ、
化学的に似た17の金属元素の総称であり、小型化やレーザー技術、エネルギー効率に欠かせない独特の
磁気特性、光学特性などを持っている。
米エネルギー省は数週間後に、米国の生産量を増やすこと、代替材料を見つけること、レアアースの
利用効率を高めることを柱とした戦略を打ち出す方針だ。
一方で、国防総省は米軍のレアアース依存に関する調査研究を完了させる。
「十分な供給量を確保するための対策を講じない限り、我々は間違いなく、国家安全保障、
経済安全保障の点で国を危険にさらすことになる」。
5年間で米国のレアアース自給体制確立を目指す法案を策定したキャシー・ダールケンパー議員はこう語る。
同議員は、この法案が今週中に下院本会議で採決に持ち込まれることを期待している。
■供給網再構築には最大15年必要
これは大きな難題だ。米政府監査院(GAO)が今年4月に公表した報告書は、米国のレアアースの
サプライチェーン(供給網)再構築には最大15年間かかり、現在、外国企業が保有している特許が
必要になる、としている。
一方、ほかの複数の調査研究は、レアアースに対する国内需要の急拡大と、ハイテク輸出品に
国産原材料を使う取り組みのために、中国の輸出削減は今後も続く可能性が高いと指摘している。
中国政府は先週、日中の外交関係の緊張が高まる中で、中国がレアアースの対日輸出を停止したとする
日本政府の主張を否定したが、今年に入ってから着実に、輸出関税を引き上げ、輸出割当量を削減してきた。
米国の新戦略を推し進める大枠を描いたエネルギー省のデビッド・サンダロー次官補は
「レアアースを含め、どんな重要物資にとっても多様でグローバルなサプライチェーンが重要だ。
最近の出来事はこの点を強調するものだ」と話す。
-続きます-