10/09/13 08:36:44
9月13日(ブルームバーグ):「たばこは税上げで1箱1000円くらいまでは値上げしてもいい」―。
小宮山洋子衆議院議員(61)は健康促進の観点からこう語った。過去最大幅のたばこ値上げを
直前に控えながら、早くも来年以降の値上げに向けて準備を進めている。
たばこ税は10月1日に1本3.5円上がり、300円の「マイルドセブン」は410円に値上げされる。
超党派議員約70人で作る禁煙推進議員連盟事務局長の小宮山議員は8日のインタビューで
「来年度以降も値上げを要望、なるべく早く先進国並みの1箱600円まで上げる」と意気込む。
健康促進に加え受動喫煙減少、医療費削減、未成年者の喫煙防止、寝たばこ火災抑制など「一石五鳥」の
増税メリットを示す。
米ニューヨークでは7月から増税で一部たばこは1箱11ドル(約967円)近くに値上がりした。
厚生労働省の資料によるとたばこ1箱はイギリス1008円、オーストラリア734円、フランスは682円だ。
たばこ増税に反対意見が多かった自民党から民主党への政権交代や世界的な禁煙の流れで、
小宮山氏にフォローの風が吹く。
都内で禁煙外来を設ける中央内科クリニックの村松弘康副院長は、来院者が最近増加していることを
示した上で「多くは値上げを口実にたばこを止めようとしている喫煙者で、値上げが背中を押している
形だ。他人に多大な健康被害を及ぼす受動喫煙も改善する」と歓迎する。
ガムメーカーのロッテのアンケート調査によれば増税を機に禁煙・減煙しようとしている人の割合は
喫煙者全体の69.7%に達する。
厚生労働省は2011年度税制改正要望で、国民の健康の観点からたばこ消費を抑制するために、
たばこ税と地方たばこ税の税率引き上げを要望、一段の増税を求めた。
■弁当代削ってたばこ代
たばこ販売数量世界3位JTは10月の増税について「過去に例のない増税」で顧客だけでなく
農家や小売店など国内たばこ業界全体に大きな影響を及ぼすとの見解を示した。
一段の増税について志水雅一副社長は8月下旬に「無謀だ」と強調した。
この点についてはライバルで世界首位フィリップ・モリスもたばこの偽造や密輸のリスクを指摘、
JTに足並みをそろえた。
JT株の投資評価を「買い」としているジャパンインベストの大和樹彦アナリストは、
自身が喫煙者であることを断ったうえで「一時的に喫煙を止めようとした人のほとんどは3カ月もすれば
再び吸い始めると思う。弁当代を削ってでもたばこ代をねん出してしまうのが喫煙者だ」と話した。
その上で「今回の値上げでJTの1本当たり利益は7割以上増えるはずで、イギリスなど
海外のたばこ会社は増税のたびに増益となっている」と指摘した。喫煙者が戻ったことが顕在化する
来年にはJT株が再評価されると予想した。
JT株の10日終値は、前日比1万1000円(4.1%)高の27万8000円。
9月1日に付けた今年最安値(25万7600円)近辺での推移が続いている。
ソースは
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)