10/09/07 20:24:45
(続き)
「景気の先行きに不透明感が漂い、サラリーマンの給与が上がらないため消費も低迷したまま。
こういう状況で円滑化法などの経済対策が終わっていくのは辛い」と指摘する友田氏。
「円滑化法を活用していながら業績不振で倒産した企業が8月17日までに累計で22件発生しています。
そのうち13社が会社の消滅を意味する破産を選んでいる。倒産件数は円滑化法などにより減っていますが、
企業を取り巻く環境の深刻さは大きく変わっていません」と先行きを案じる。
帝国データバンク名古屋支店情報部の中森貴和部長も、円滑化法終了後の倒産ラッシュを懸念する1人。
「1998年にも倒産対策として緊急保証制度が実施され、一時的に倒産が減りましたが、終了後は急増した。
当時の保証制度は審査がかなり厳格でしたが、それでも終了後は倒産が大きく増えている。そこまで厳しくない
円滑化法が終了したらどうなるかは、いわずもがなです」
さらに中森氏はこんな驚愕の事実を明かす。
「実は今、円滑化法を利用し、返済猶予期間が終わった企業を追跡調査しています。感触としては、利用した企業のうち
生きながらえているのは10社に1社程度。それだけ景気が悪いということで、あちこちから円滑化法の延長を望む声が出ています」
気になるのは、円滑化法が期限を迎える来年春以降の景気。第一生命経済研究所の永濱利廣主任エコノミストはこう解説する。
「円高に苦しめられる今年度後半を最悪とすると、来年度は中国の5カ年計画なども始まることから若干持ち直すとみています。
春闘での賃上げでもいい数字を出す企業が出てくるはず。ただ、それでも倒産件数を抑えられるほどの効果はないでしょう」
日本は再び死屍累々の倒産列島となってしまうのだろうか。
(記事終)