10/08/14 16:34:40
(>>2の続き)
「金がないから自己破産するのに最後まで金をとられるとは。自殺する人の気持
ちがわかるよ」。会社員から話を聞いた運転手は不安が募る。
老後まで続く返済、貯蓄なし、借金。誰が見ても無理なローンがなぜ組まれた
のか。
ある不動産会社の営業マンは「銀行の審査は甘くなっている」と打ち明ける。
借金があっても銀行に申告せずに審査が通ったり、家の価格に借金額を含めて融
資を受けさせたりしたという。
大手銀行のある支店は2000年代初めから住宅ローンを増やした。本部から
号令がかかったからだ。支店長経験者は「多く集めれば、薄利多売で確実に利益
が出るという戦略だった」と説明する。
「草刈り場」は住宅販売会社や住宅展示場。販売会社と提携し、家を買う客を
回してもらったが、他行も参入し販売会社の奪い合いになった。
次は金利の低さと審査の早さを競った。通常の金利より低い「金利優遇ローン」
などが次々にでき、1%前後の低金利を売りにした。土、日曜日も営業する「住
宅ローンセンター」もでき、各支店のローンをまとめて審査するようになった。
「機械的にバッサバッサ審査した。銀行員が全物件をみるのをやめ、子会社やよそ
の会社に委託するようになり、審査が相当緩んだ」
「バブル崩壊後、企業向け融資の採算が悪化し、銀行は住宅ローンに活路を求
めた」。企業を格付けしているスタンダード・アンド・プアーズの根本直子マネ
ジングディレクターはこう分析する。
小泉政権の「官から民へ」も拍車をかけた。01年、国の資金で貸し出してい
た旧住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)の住宅ローン廃止が打ち出され、「旧
公庫から借りていた層をねらい、銀行が一斉に住宅ローンを活発にした」(旧公
庫職員)という。
(続きます)