10/08/04 11:19:58
厚生労働省をターゲットに、“給付金詐欺”まがいの行為が横行している。
厚労省は昨年7月、失業者向けの「職業訓練実施計画」を立てた企業に
多額の支援金を支給する「緊急人材育成支援事業」を開始したが、
この支援金に目を付けた企業経営者が失業者集めに奔走しているというのだ。
「中小企業にとって若くて安い人材を青田買いするには、もってこいのシステム。
教育費や人件費、初期投資の面倒を税金でまかなってくれるのだから、こんな都合の
いい話はありません。受講者も、毎月の生活費が支給される。けれど部外者には、
税金の無駄遣いに見えるでしょうね」
昨年秋、大手食品会社を退職し、ハローワーク通いを続ける男性(61)はこう語る。
「緊急-」は、職業訓練校の指定がない事業主でも、申請すれば1年以上の訓練
実地を条件に、失業者1人あたり月6-10万円の奨励金が支給される。
さらに、建物を借りる礼金として最大50万円、施設改装費同400万円、パソコン
などの訓練機器購入費350万円も支給される。経営者にとって、こんなにおいしい
“給付金”はない。
「訓練を受ける失業者には、月10-12万円の生活費が最大1年間支給される。
これには民主党の事業仕分けでも批判が集中しました。でも、訓練を実施する側への
疑問の声はほとんど上がっていません。パソコン関係の教室では、肉体労働しか
経験がない初老の男性が、初めてパソコンに触れていました。こんな人に訓練を
施して給付金を得ている事業主は、詐欺に等しいのではないでしょうか」(同)
西日本の別のパソコン教室では、3カ月の訓練期間で30人の生徒を募集しており、
1年間の単純計算で1人10万円×3カ月×30人×4学期=3600万の収入を
得ることになる。加えて、施設改装費や訓練機器購入費も支給されるのだ。当然、
この教室は生徒(=失業者)集めに躍起になっており、定員に達した際には訓練用
パソコンを生徒に無料贈呈する“プレゼント攻勢”まで行っているという。
こうした実態があるにもかかわらず、職業訓練の実績がない民間の経営者に税金を
大盤振る舞いする理由はこうだ。
「訓練委託先に民間事業主を含めたのは、失業者や就職浪人が急増する中で、既存の
訓練校だけでは年間目標の10万人を受け入れられないからです。職業訓練の実績が
少ない事業所が実際にどれだけ機能し、役立っているかについては、各都道府県の
雇用能力開発機構が、月に1回程度視察することになっています」(厚労省担当者)
事業総予算は3年間で3500億円。事業仕分けで半減される前は、2倍の7000
億円だったが、さらなる仕分けが必要かもしれない。
◎厚生労働省--緊急人材育成支援事業
URLリンク(www.mhlw.go.jp)
◎独立行政法人 雇用・能力開発機構--緊急人材育成支援事業による職業訓練について
URLリンク(www.ehdo.go.jp)
◎ソース
URLリンク(news.livedoor.com)