10/07/03 17:51:16
<中略>
■僕がいま、最も感じているのは、 日本語の限界ということです
「ただし、今回のバブル崩壊は従来のものとはいくつか違うことがある。
それは、バブル崩壊と同時に中国が分水嶺を越えてキックインしてきた一方で、アメリカ
はブッシュ政権からオバマ政権に替わる過程で、ここ何十年の中でもかなりダメな時期を迎え
ている。
つまり世界の覇権を握ってきた大国が弱体化するのと、次の覇権を取り得る大国の成長が
同時期に起きた。これは今回の金融危機の原因ではないし結果でもないのですが、たまたま
同じ時期にそれが起きたわけです。
このため、金融危機の前と後では多くの人にとって気になる軸が変化した。ビジネスマン
としても世界のお金の流れやビジネスとして関心を持つべき場所が、アメリカよりも中国に
なんとなく移っている人も多いはず。それが、100年に一度という言葉に妙に説得力を持たせ
たのでしょう」
だとすれば、これまでアメリカの経済発展をテコに拡大成長してきた日本としてはかなり
深刻な事態と言える。少なくとも身をかがめて嵐が過ぎるのを待てば、それでいいというわけ
にはいかないだろう。
「僕がいま、この大きな変化の中で最も感じているのは、日本語の限界ということです。ちょ
っと大きな話をすると、産業革命以前、世界のGDPは人口分布と一緒でした。個人消費が経済
の大部分だったからです。17世紀は中国とインドで世界のGDPの3分の2を占めていました。
それが産業革命によって情報と技術が一部の欧米諸国に集中し、世界の富も中国やインド
からこちらに一気に移動した。ところがインターネットが普及したことで、今度は情報も技術
も世界中で格差が無くなった。結果として人口分布が再びGDPを決定する時代になると私は
考えています。
これを言うと怒られそうだけど、中国が世界の経済大国になるのは、なにも中国が特別な
ことをしているというわけじゃなくて、単に人口がよそよりも多いというだけのこと。
ただ、それだけのことだからこそ、避けることはできないし、人口が元々少ないうえに減少
傾向が続いている日本はビジネスの観点から考えると、かなりきついことになるわけです」
ソース:現代ビジネス
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