10/09/26 11:50:17 2xWY8xJA
>>876
9手目の▲48玉は、もし△86歩なら▲95角打ちの王手飛車というアマ初心者
のハメ手であるが、この狙いは渡辺をムっとさせる事である。
渡辺は久保の一歩損を咎めようと10手目△72飛車で歩を守る。
対する▲76飛車はまたしても挑発で、もし△75歩なら▲56飛車と回って。これに
①△52金と受ければ▲22角成~▲55角打ち。②62銀なら▲22角成~▲83角打ち
で先手良しとなる。
なので渡辺は12手目、角交換に備えて△82銀とする。
久保は歩がないので▲86歩の交換から一歩を得て、▲48玉と上がる。
渡辺の18手目△42飛車の意味は、△82の銀を動かす準備で、次に△72金と上がり
△73銀と出れる形を作っている。△72飛車のままでは、この銀が動けないのだ。
しかし久保の19手目▲77桂を見て、渡辺は△72飛車と戻してしまうが、この意味は
攻めにあり、△75歩~△76歩の桂頭攻めを見せて、真の狙いは久保を急がせている。
つまり渡辺は、「一歩得としているから長期戦⇒⇒相振り~じっくり左矢倉」の方針を
とったのだったが、久保の▲77桂を見て、「桂頭攻めを見せて久保を急がせる」の方針
にチェンジしたわけである。ここらへんが将棋の真のむつかしさであり、相手の変化に
応じて、こちらも作戦を変化させる。