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週刊将棋1999年9月29日号13面
SCENE'99 炬口勝弘の棋界漫歩
『続・恐るべき天才少年』
昨年6月、本欄で紹介した豊島将之君が今夏、奨励会の入会試験を受け、期待にたがわず、
みごとに合格した。(リード文以下略)
「今年は粒揃い、精鋭ぞろいだ」
酒井順吉六段、野田敬三五段の奨励会幹事はもとより、会う棋士のほとんどが皆、
口をそろえて言う。 (中略)
「あれ、何してるの？」
「あれは将棋というものよ」
たまたまテレビに映った羽生の姿を見たのがキッカケで駒を手にすることに
なったという豊島君。ほかの仲間(ライバル？)も皆似たようなものだったろう。
「まだ欲がなくて、考えないで、超早指しなんです」と語るのは
最初の師匠、土居春左右六段。
「優勢になると楽観して負けることもありますが、春からは月1回、
桐山宅に通ってケイコをつけてもらっていたんです。将来が楽しみです」
小柄であどけない豊島君。仲間同士ではニコニコしている。靴のサイズも21㌢と、
27～28の大きなスニーカーが並んだ中で、ひときわ目立ったが、感想戦となると、
まるで羽生、佐藤のように、大人びた言葉づかいや態度を見せ、正直驚いた。
つくづく大器だと思った。本当に将来が楽しみである。
※写真1：局後の検討をする豊島・牧野・丹羽
※写真2：1次試験に勝った豊島君。周りに友達の輪が出来上がる