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パラリンピック：最年長の比田井に注目 車いすカーリング
今大会、日本が初めて出場権を得た車いすカーリング。初戦となるイタリア戦は１３日午後６時（日本時間１４日午前１１時）から行われる。
注目されるのが、今大会各国選手の中で最年長の７５歳、セカンドの比田井（ひだい）隆（長野）だ。
試合会場のパラリンピックセンターで１２日に行われたチーム練習では、時折笑みを見せるなごやかなムードながらも、正確なショットを連発した。
電気工だった比田井は３１歳の時、電柱の立て替え工事中に横転してきたクレーン車の下敷きになり、両脚の自由を失った。
医師に「一生、自分の足で歩けなくなる」と告げられたが、「そんなバカな話があるか」と反発。
しかし１カ月、２カ月と時は過ぎても脚は動かない。「一家のあるじが取り乱してはいけない」と、気持ちを切り替えた。
「これからは明るく生きなくては」と始めた車いすアーチェリーは、既に競技歴３５年のベテラン。
０４年３月、知人に誘われて始めた車いすカーリングの魅力にもはまった。ここ一番の集中力は、アーチェリーに通じるものがある。
仲間と切磋琢磨（せっさたくま）した６年間。世界決戦への出場を「重大事件だね」と笑う。
血圧が多少高い以外は至って健康。「カーリングをやって腹が減るのでよく食べる」のが健康の秘訣（ひけつ）で、
最近の「草食男子」になぞらえて「雑食です」と冗談を飛ばす明るい性格だ。「若い人が入ったら道を譲ろうと思った」というレギュラー。
その安定性ゆえに、なかなか禅譲の機会は巡って来そうにない。【芳賀竜也】
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