11/09/09 22:09:20.00 ULlxQi1h
>>943
「翌日何の気もなく教場へはいると、黒板一杯ぐらいな大きな字で、天麩羅先生とかいてある。おれの顔を見てみんなわあと笑った。おれは馬鹿馬鹿しいから、天麩羅を食っちゃ可笑おかしいかと聞いた。
すると生徒の一人ひとりが、しかし四杯は過ぎるぞな、もし、と云った。
四杯食おうが五杯食おうがおれの銭でおれが食うのに文句があるもんかと、さっさと講義を済まして控所へ帰って来た。
十分立って次の教場へ出ると一つ天麩羅四杯なり。但し笑うべからず。と黒板にかいてある。
さっきは別に腹も立たなかったが今度は癪に障さわった。
冗談も度を過ごせばいたずらだ。焼餅の黒焦のようなもので誰も賞手はない。
田舎者はこの呼吸が分からないからどこまで押して行っても構わないと云う了見だろう。
一時間あるくと見物する町もないような狭せまい都に住んで、外に何にも芸がないから、天麩羅事件を日露にちろ戦争のように触ふれちらかすんだろう」
坊ちゃんの言う田舎者は、日本の隣国であるかの国に良く似てます。
「どこまで押していっても構わない」というしつこさというか、何かネジが飛んだような様が。
永遠に懲りないのでしょう。