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バブル崩壊が始まる前に知っておきたい―バブルの生成・崩潰のメカニズム - 11/06/03 | 16:13
今年のゴールデンウィークは、東京では震災の自粛ムードから平常に戻るきっかけとなったが、世界金融市場においては、
これまで好調だった商品価格が突如大幅下落する週となった。
発端は銀であり、銀が大暴落すると、それをきっかけに金も原油も暴落し、米国株式市場までもが大幅下落となった。
なぜ銀価格が下がったのか。一般的には「明確な理由はない」とされている。つまりファンダメンタルズに関するニュース
はなかったのだ。実物の銀へのニーズが減少するようなニュースはなかった。だから銀の下落は理由がなく、不思議だという
ことになる。
しかし、ファンダメンタルズで説明することに縛られない相場の論理は全く異なる。
今回の暴落後、「ジョージ・ソロスが過去2年間に大量に買い込んだ金と銀の買いポジションを、1―3月期に解消した」こと
が大きく報道された。同時に、「メキシコの大富豪も銀を大量に売却していた」ことがわかった。ソロスと特定できたかどうか
はわからないが、誰かが金や銀を売り始めていたことは、市場関係者には報道前に静かに広まっていたと思わる。だから、
みんな売ったし、だから暴落したのである。
すなわち、誰かが買えばその金融商品価格は上がり、売れば下がるのである。今回は、ソロスが売り、その動きを察知して
機敏な投資家が売り、さらにそれらの情報が広まったことで多くの投資家が売ったことで、商品価格は下がったのである。
これまで上がっていたのは、もちろんその逆で、多くの投資家が買ってきたから上がってきたのだ。金をはじめとするいわ
ゆる商品は、この数年、金融市場でブームだった。とりわけ金は、個人投資家にもなじみやすく、買う手段が多数あったから
大きく上昇した。
ETFが発達したり、CFDという差金決済による実質的にレバレッジの高い(少額投資で大きなポジションが取れる投機的な)
取引ができるようになったりすることにより、金融商品としての金の魅力が高まった。
つまり、流動性が高まり、取引コストも低くなり、少額の個人投資家から大きなポジションを取る機関投資家まで、ありと
あらゆる投資家が金を買った。そうなると現物の金の流通量をはるかに超えた金という金融商品としての流通量が増え、流動性
の高まりがさらに大きなポジションを取ることを可能にし(ETFやCFDがさらにこれを容易にした)、金への投資需要は飛躍的
に高まったのである。だから金は上がった。金価格は上昇を続けた。
今回の金の上昇局面は、さまざまなバブルにおける特徴をすべて内包した事例である。
バブルにおける特徴は2つである。
1つ目は、幅広い投資家の流入が促進され、新しい投資家が大規模に入ってくることであり、もう1つは、ピークにおいて、
大量の商品供給がなされることである。前者はバブルの上昇を説明し、後者はバブルがピークに達しつつあることを説明する。
バブルが大規模になり、長期に継続するためには、新しい投資家の流入が必須である。
(続く)