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東電賠償スキーム、銀行債権放棄、政府見解でなし-支援に不透明感(1) 2011/05/17 16:30 JST
5月17日(ブルームバーグ):東京電力原発事故の賠償における金融機関の負担をめぐり、政財界で慎重な発言が目立っている。
枝野幸男官房長官が東日本大震災発生前の債権放棄が前提との認識を示したのに対し、野田佳彦財務相は17日午前、「具体的に
政府で協議したことはない」と述べ、政府の共通認識ではないことを明らかにした。
枝野官房長官は13日、債権放棄がなければ公的資金活用に国民の理解は「到底、得られることはないだろう」と語った。これに対
し銀行界では三菱東京UFJ銀行の永易克典頭取が16日、債権放棄とは「実効性のある再建計画を企業と一緒に作っていく過程で
応じるのがルール。非常に違和感がある」と述べるなど反発が広がっている。
政府は13日に国民負担の最小化を前提とした東電賠償スキームを決定。ただ、負担については「全てのステークホルダー(利害関
係者)に協力を求め、とりわけ東電に金融機関から得られる協力の状況を政府に報告することを確認した」と明記するにとどめ、
株主や社債投資家の扱いについても具体的には触れていない。
ドイツ証券の山田能伸アナリストは債権放棄ではなくても銀行が「金利減免に応じるだけで東電の債権は『正常先』から『要管理
先』にダウングレードされる」と分析。こうなれば銀行は「100パーセントの政府保証がなければ、新規融資に応じることはできな
くなる」とし、被害者への補償も含めた東電再建の難しさを指摘した。
東京証券取引所の斉藤惇社長は17日の会見で枝野発言について、「銀行の関係者に十分な説明がないと放棄はできないと思う。世
界的にも混乱を招く」と言及。財界では経済同友会の長谷川閑史新代表幹事が「政府としての意思がはっきりしないうちに軽々に
口を挟み、株価に影響を与えるようなことは避けてもらいたい」と批判した。
●「政府の支援不透明」で格下げ
ムーディーズ・ジャパンは16日、東電の長期発行体格付けを「Baa1」から「Baa3」に2段階引き下げた。格下げの理由と
して原発事故による損害が想定より厳しいことや、政府の支援策が不透明なことなどを挙げた。見通しは格下げ方向を継続する。
債務者区分や格付けの引き下げは事故を起こした東電の資金調達を一層難しくする。
海江田万里経済産業相は17日、官房長官発言について「枝野さんはそういう考え方だからそれを話したんだろう」と言及。自見庄
三郎金融担当相は「民間当事者間同士で話し合うべき事柄だ」と述べた。ただ海江田氏は「私どもが今の段階で直接口を挟むこと
ではなく、金融機関もいろんな協力をしてくれるだろう」と付け加えた。