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佐藤優の眼光紙背:第122回
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現在、世界的規模での帝国主義的再編が進んでいる。これまで日本は、「二股」をかけていた。第1は、日中を基軸とする東アジア共同体構想だ。
しかし、中国は航空母艦を建造し、海洋覇権の獲得を本気で画策している。さらに中国政府は否定しているが、日本や米国に対するサイバー攻撃
に中国の国家機関が関与していることは、インテリジェンス関係者やサイバー・セキュリティー専門家の間での常識だ。より根源的に、中国は
現下国際社会で受け入れられているゲームのルールを一方的に変更しようとしている。このような状況で、東アジア共同体構想を進めることは、
日本の国益に反する。
そこで、第2のシナリオ、すなわち日米同盟をTPPという形で、経済面でも深化していく必要が生じたのだ。野田首相が、東アジア共同体構想と
訣別し、TPP交渉に参加するという姿勢を明確にしたことは、日本の国家戦略として正しい。農業や医療など、経済的な部分均衡の問題で、
国家としての大局を見失ってはならない。客観的に見て日本は帝国主義大国である。本気にならば、米国と五分に渡り合うことができる。
日本の力を過小評価してはならない。