11/03/09 21:08:18.58 x9Nqetds
山岳走破訓練の一風景
(名前は適当です)
「現在地ここですよねえ?」
「んー、多分間違ってはいないと思うんだけどね」
「あと二日くらいかかるかしらねえ」
「だな、道を外れると、一日に10キロ進めないとはおもわなかったよ」
「帰ったら、教官からなにか言われそうですねえ」
闇が深まる山の中。この季節、真冬ではないにせよ、じっとしていると寒さが身に染みる。
歩いているときはむしろ暑いくらいだが、野宿のため焚き火の前に座ると、背中の寒さが辛くなる。
野村加奈子はリュックから厚い防寒具を出してくるまった。
「フフ、モコモコですね」
「寒くないのか?」
「寒くなってきました、私も何かかぶりましょう」
相沢由美子は毛布を出して体を丸くする。寒さを我慢してもあまりいいことはない。
防寒具があるなら、体を冷やさないほうが体力を維持できるというものである。
「そっち、ビスケットはどのくらい残ってる?」
「あと3食分ですね、一日分です。減らしても二日分には足りないかと」
「こっちも同じか、ま、同じだけ支給されてるんだから、同じだわな」
「あとは非常食がちょっとある程度です。これで保たせるしかないですねえ」
「そうだな、なんか都合よく木の実でもあればいいんだが」
「そういう話はよく有りますが、現実として、あんまり期待はできないですよ」
「まあな、大抵収穫して食えるように加工するのに数日かかったりするからな」