11/02/15 01:25:13
>>329
123便と同じトラブルが今起きたとして、無事に生還できる可能性は無いと思う。
ただ、現在では油圧系統のついてはさらに安全策が強化されている。
(何らかの原因で油が漏れ出した場合に備え、途中に弁がついている)
仮にハイドロオールロスしても、それで即操縦不能→墜落というわけではないのは331の言う通り。
ユナイテッド232便がパワーコントロールを駆使し半数以上を生還させた。
もっともこれはスーシティのような広大なトウモロコシ畑が広がる空港が近くにあったこと、
すでに123便の教訓があったこと、飛行時間約3万時間という機長をはじめ、乗員が超ベテランクラスであったことに加え、
さらにDC-10の教官機長がデッドヘッドでたまたま乗り合わせていたことなど、かなり有利な状況があった。
ただ、123便の場合は尾翼が破壊されてしまったことがハイドロオールロスよりもさらに痛い。
仮にこれが単体で起きていても、本来なら致命傷と言える。
これまでの事故で尾翼が破壊された場合は多くは「その場」に墜落している。
アメリカン航空587便は尾翼が折れた30秒後に墜落、パータンエアー394便は尾翼破壊から即空中分解、
DHL611便は空中衝突で尾翼の80%を喪失し2分後に墜落している。
なぜ123便がその後も空を飛ぶことをできたのかはわからない。
(よほどバランスの取れた形で隔壁→尾翼の破壊が行われたとしか…)
どちらにしても尾翼の大部分が破損した場合、生還の見込みは無いと思う。
翼というものは少々の傷や、わずかな氷が付着しただけでも、機体の特性にかなりの変化をもたらす。
アメリカンイーグル4184便ではわずかな着氷により突然機体がバランスを崩し、まっ逆さまに墜落している。
エルアル航空1862便では、747型機のエンジンが2基脱落、右翼の全縁と操作系統が一部破損。
その後安定飛行を取り戻したが、わずかな操作ミスで突然バランスを崩し、スキポール空港脇のアパートに墜落した。
これは123便よりもずいぶん有利な状況だったと言われているが、
それでもNTSBの調査報告書では、事故発生の段階ですでに生還は絶望的だったとの結論が出された。
123便は乗客500名以上を乗せた機長の執念がそうさせたのか、しばらくの間飛行を継続できたわけだが、
今日、同様の自体が発生した場合(もっともこれは500年に全世界で一度のケースだと言われているが…)、
一番可能性が高いのは「その場で空中分解」、次に「その場に墜落」で、
生還の見込みはゼロと言っていいと思う。