11/02/11 20:31:44
海に向かうのがベターだった。これは杉江氏の「機長の告白」を読めば理解できると思う。
この本には、「海に下りるべきだった」という議論自体をタブー化すること、
すなわち、死者を責めるべきではないとする風潮に対する問題提起も含まれている。
事故調査にはそうした武士の情け的な要素が含まれてはいけない、
その目的はあくまで再発防止に特化されるべきだとしている。
NTSBではそのあたり徹底されており、全てを詳らかにする代わりに、
その調査結果が「犯人探し」に結び付けられることも一切禁止されている。
とはいえ、「最終的な結果」が分かっていれば、事故機のクルーだってここで言われるまでも無く左と判断を下したはず。
しかし事故のあの段階の判断としては右旋回がベターだった。羽田に帰るためにはね。
何万回と離着陸がある中で、羽田に帰ることができない事故の可能性を
あの段階で考えることは、現役の自分も無いと断言できる。