10/01/05 14:39:21 VAhwSW5l0
しかし、なかなか脱げない。そもそもどう着たのか覚えてもいなかった。
悪戦苦闘していると、ガシっと腕をつかまれる。
ギョっとして叫ぼうとすると、つかんだ相手は固定のテンプラーだった。
「あー、やっぱ脱ごうとしてた。だめ、今日はダンスパーティあるのよ。」
そういってどこにそんなものをあったのか、大きな化粧箱を目の前に出し
「この時期ぐらいはさ、女の子で居よう。ね?」
そういって化粧箱からいろいろと取り出し
「人に化粧するの初めてだけど、まぁ大丈夫でしょう。」
「パーティまで時間ないから、ちゃちゃっと済ますよん。」
そういいながらテンプラーはにっこり微笑みさらにこういった。
「バビィテルミラス。バビィMyウォーロック。来年もヨロシクね。」
私は、ふいにブワっと涙を流す。
テンプラーの言葉で、なにかせき止めていたものが取れてしまったみたいだ。
パーティまであと、3時間。泣き止みたい。でも泣き続けたい。
私はいま一番幸せだったのかもしれない。