10/01/05 14:27:01 VAhwSW5l0
郷愁とともに、矛盾した帰らなくていいかという思いを抱きながら
慣れないドレスを着ながら歩いていると
町のショーウィンドのガラスに自分がうつってるのを見て
ふと自分が「女」だったことを思い出す。
もちろん忘れては居なかったが、女らしさはすっかり忘れていた。
女らしさを思い出すほど綺麗なドレスに見合わない顔。
時にはテルミラドレスと同じくらいの真紅の血を浴び、流し、ぼろぼろの状態で
毎日過ごしていたことを考えると、この時期、いまはなんて女らしいんだと
ガラスに映ったくたびれた自分と、その正反対の綺麗なドレスをみて、
ちょっとだけ失笑した。
そして本当に化粧っけひとつないのに気がつく。
例え貧乏でも忙しくても、故郷の母は化粧だけは欠かさずして、「女性」でいた。
自分は忙しいが金もあるしオフの時期もあるのに化粧ひとつしなかった。
とたんにみすぼらしい感じがしてきて、ドレスを脱ごうと思いつき
路地裏にいって脱ごうとした。