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盛岡タイムス
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2011年 11月の天窓
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▼ 2011年 11月 9日 ―縁(えにし)が結ぶ復興への絆―
「縁(えにし)が結ぶ復興への絆」。この言葉が東日本大震災津波の後方支援基地として、被災者の生活再建を支えている遠野市の取り組み姿勢であった。11月7日に当社の主催する岩手地域開発研究会は移動例会として遠野市を訪問。本田敏秋市長の講演を聴き、仮設住宅などの現地見学をした。
▼本田市長や市民が取り組んできた今回の罹災後の支援活動は、決して大げさに言っているものではなく、まさに心の底から出てきているもので感動させられるものがあった。後方支援基地として「遠野に」の声が全国に広まっている。今でも、静岡県、神奈川県などのボランティアチームが派遣を続けていて、遠野市のボランティアセンターに泊まり込みで自炊をしながら支援活動に没頭している。
▼遠野市ではいち早く受け入れ態勢を整え、学校のグラウンド・校舎、体育館などを救助隊の自衛隊や警察官などの拠点に、さらには救援物資の捌(さば)き所などとして提供した。市民ボランティアも1日1500~2500人が出動した。そして、遠野市から災害地へのバス運行などの手配を行った。
▼災害救助法といった法令にのみ基づいていたのではなにもできなかった。今回は南北500㌔の災害であり、市町村機能が失われている中では、状況把握すらも難しい状態。市長の考え方に市民も行政機関も一体になって頑張った。本田市長は、被災地の皆さんが頑張っているのだから、支援するのは当たり前だと話した。
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▼ 2011年 11月 8日 ―被災地思い来日するブータン国王―
日本に親愛の情を寄せる諸国の中で、筆頭格はヒマラヤ山ろくの王国・ブータンだろう
▼国王は3・11発災の翌12日に犠牲者の追悼と被災者の安全を祈る式典を主催したほか、国内主要寺院で3日間にわたり追悼法要を実施。被災地には百万㌦(約8千万円)の義援金を贈っている。国王は31歳。先月、10歳年下の民間女性と結婚したばかりで、夫妻は今月中旬に国賓として初来日する
▼訪日の際には被災地を訪問し「ブータンは皆さんとともにある、と伝えたい」と語っている。親日の厚さは父である先代国王時代から一貫している。先代も昭和天皇崩御時には34歳の青年国王だったが自国の正装で来日し大喪の礼(葬儀)に列席
▼他国首脳らが葬儀前後に日本の経済協力を求める弔問外交を演じる中、ブータン国王はそれをせず帰路に向かう。記者が真意を問うと「天皇への弔意を示すために来たのであり、日本にお金の無心に来たのではありません」と答えた王のさわやかな弁は、後々までの語り草になっている
▼1960年代初頭、ブータンの農業は苦労は大きく収穫は少ない状況にあったが、日本は64年に農業技術指導の専門家を派遣。早くも翌65年には改善の効果が収穫量の増大として目に見えるものとなった。それは一例だが同様の幾多の支援に対しかの王国は、恩を感じそれに応える姿勢を貫いている
▼国民の「幸せ感」が深まることを施政の基本にすえる国でもある。来日する若い国王夫妻の被災地訪問が待たれる。
※ブータン国王、岩手に来ないかな…