08/03/14 19:50:56 h18EApnP0
今俺の手元に創元の『フランス白粉の謎』を持ってきている。その「解説」だ。
中島河太郎。多少とも推理小説に通じてると自認する人間なら、誰一人知らない筈もないよな?
氏が文中で、クイーン自身のペンになる「推理小説批判法」について語っている。
そして末尾には、間接的な引用ながら、彼(ら)が「 文 学 的 素 養 」という言葉で
推理作家の文体について語ってる場所がある。
俺にとって都合が悪いことに「推理小説批判法」と“国名シリーズ”の直接的関係は書かれてない。
しかし・・・。クイーンの文が書かれた年は明記されてないが、まだロスを別人として評価してるから
正体を自ら暴露した1941年以前とわかる(創元版『Xの悲劇』解説参照)。
(ちなみに作風の転換が顕著になった『災厄の町』は42年に発表された。)
ってことは、彼(ら)が評価した自作に“国名シリーズ”を入れている可能性は相対的に高くなる。
さらに、『グリーン家殺人事件』を評価対象に入れているのは解説で明らかだから、
ヴァン・ダインにならって出発させた“国名シリーズ”を、彼と比較させないのはむしろ不自然である。
無論、絶対的な証明とはならない。が、以上のことを確認していたならば、向こうの>860でのように
>国名シリーズを「文学」と称したり・・・正に笑止としか言いようがない。
と軽軽しく放言できるわけがないのだ。
「文字どおり迷走しまく」(クイーンスレ>884)ったのは『ギリシャ棺~』のエルwの推理ではなく
甘ったれ未読親方その人であったということが、この拙文で一層明白になったと思われる。