08/08/04 21:59:57 kZHBwuGd0
しかし、私個人の意見ですが、穢多村と屠場の関係は単なる偶然とみています。
屠場が９号に出来たのは明治時代と歴史が古く、帝国海軍を抱える横須賀ですから
強い軍隊を作るためには肉を食わねばならんということで、それまでは横浜から肉を送ってもらって
いたのだが道路網未整備の時代なので安定供給もままならず、横須賀まで日数がかかりすぎて
途中で肉が傷んでしまい食用にならない。早急に横須賀で自前の肉をつくる必要に駆られたのだが、
そうなると今度は屠場の用地獲得が難航。どこの地主も４ッ足動物を殺すなんて土地が穢れるといって忌み嫌う。
そこで立ち上がったのが９号の大地主であった石渡担豊（のぶとよ）氏である。
なんとも豪傑な人で、軍隊のため、お国のためならば、ということで自分の所有する土地、
しかも自宅の隣りの敷地を、もっと驚いたことに、無償で提供した。
それが今の屠場跡地のところです。明治４５年に開設。神奈川では市営の屠場第一号でした。
屠場になる前は茶畑だったそうで、近隣の娘さんたちが茶摘みのバイトをよくしていたそうです。
石渡氏はのちに横須賀市長を２期つとめたりした有力者でもあり、大正時代の邸宅の写真を見ましたが、
現在のサラリーマンでも一生無理なくらいの豪華なお屋敷でした。
というわけで９号は石渡王国ともいうべき土地で、今でも石渡姓が多いのはその名残りです。
明治・大正時代に政界の大物であり、大地主でもある人がまさか部落民ではあるまい、
屠場と穢多村は確かに近いが、おそらく偶然であろう、というのが私の説です。