08/06/13 13:44:21 zktz6kZZ0
スレずれですが、作間謙二郎という劇作家・脚本家が書いた作品に
「犬を食ってはならない」というのがあります。
昭和20年代に書かれたものだと思いますが、東北地方の町村合併で町になった部落が舞台で、
そこの部落長が犬を食ったかどうかで、新しいポスト就任を巡ってひと騒動あるコメディです。
要は「この時代に犬を食べてるやつに、政治の役職を任せるわけにはいかない」という問い詰めに、
部落長が「犬なんか食っていない」と断固否定して(実際は喘息に効くということで食べていたのですが)、
やりあう話なんですが、これがめちゃくちゃ面白い。生の東北弁が最高です。
もちろん現代の感覚では差別的な内容ですし(犬殺しも出てくる)、上演なんて不可能で、
作者(故人)としても作品リスト意からは消している作品かもしれませんが、
作者の言葉にあるように「田舎の生活感情、笑いの伝統を舞台に書きたい」という狙いは、
見事に達成されていると思います。
部落関連の文芸作品で、差別云々抜きで、率直に笑えるものなどほとんどないと思うので、
その点かなり貴重な作品ではないかと思います。