08/02/17 03:28:21
それと「物語」の共有という点で文化史的に考えなきゃいけないのは、
一般に思われてるよりずっと前から各地の文明は交流していたという事実だ。
たとえばエジプトのプトレマイオス朝は、インドと交易をしていたことがわかっている。
このプトレマイオス朝はキリストが生まれる数百年前からちょうどキリストが生まれる前後くらいまで存在した。
そしてこれを倒したローマは交易路を更に伸ばして、中国との交流をやっている。
まさにキリストの時代は、東西の文化が交流を活発化していた時期でもあるわけだ。
そして前にも書いたけど、これらの出来事の前にはアレクサンドロスの東征があって
インドあたりから中東、西洋の文化が交流していた。
だからこの時期からキリスト死後数百年、グノーシス、イスラム、マニ、などの
東西の文化を混在させたような思想体系や宗教が生じていく。
これらのことは当然、各地の物語を刺激し、それまで別々だった物語を結びつけたり、
もしくはある土地の物語が別の土地の物語に影響を受けたりもしただろう。
つまりそこにあるのは神秘的な謎というよりその当時を生きた人々の創造性なんだよ。
ノアの神話をローマ人から聞いた中国人が「それならこっちにも似た話があるよ」とやっていたんだろう。