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田中正明『パール博士の日本無罪論』
東京裁判における「パル判決書」は、本書(七二肯)に記したとおり、
南京暴行事件の事実は立証されたと認定したうえで、松井石根の「不作為の責任」で
死刑とすることは証拠不十分であると反対したのであるが、同書はパール判事が
南京事件が引き起こされた事を認定した事実には意図的にふれず、松井石根の死刑論
批判を南京暴行事件もなかったという否定説に利用していることにおいて、パール判事の
本意に反している。中島岳志『パール判事 東京裁判批判と絶対平和主義』
(白水社2007年)は、田中の本が、明らかな誤読や改竄、ミスリーディングを誘う記述、
意図的な割愛など、パールの主張から大きく逸脱している部分があることを指摘、
「日本無罪論」というタイトルが「パール判決書」の主旨から逸脱しているので、
「A級戦犯無罪論」と限定すべきであったと批判している。さらに、
パールが南京暴虐事件を事実と認定し、「鬼畜行為」と激しく批判
していることに田中の本が一切触れていないことを批判している。そして中島は、
「東京裁判史観」を批判する論客が、「パール判決書」の都合のいい部分だけを
切り取って、「大東亜戦争肯定論」のような歴史観を補強するために利用しているのを
厳しく戒めている。
笠原十九司『南京事件論争史』p139-140
田中正明が、確信犯的な否定論者であることは、中島岳志前掲書でも批判されているが、
資料の改竄を平然と行った事から明らかである。
笠原十九司『南京事件論争史』p142
この論争に触れてる文章を南京事件本から引用してみる。