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棋聖戦「孤独な営為に深い感動」米ミューズ・アソシエイツ社長 梅田望夫 (1/2ページ)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
佐藤康光棋聖(棋王)に羽生善治王座・王将が挑戦する第79期棋聖位決定五番勝負第1局が
11日、新潟市岩室温泉「高島屋」で行われた。2人の対決の観戦記をネット上(MSN産経ニュー
ス)に書くために、私はシリコンバレーから日本にやってきた。
午前9時の対局開始から午後7時16分の終局(佐藤棋聖の先勝)、さらに午後8時45分の感想
戦終了までの一部始終を観て、私は原稿用紙40枚に及ぶ観戦記を書き、ネット上にアップしていった。
その結果は「大事件のニュース並み」の反響とのこと。将棋という文化が日本人の心に本当に深く
根付いていることを、改めて実感した。
将棋界の2つの最高頭脳が火花を散らす対局室という現場は、日本中、いや世界中どこを探しても
みつからないような荘厳で厳粛な不思議な空間であった。
孤高の脳。私はそんな言葉を思った。
静寂の対局室と、対局内容の研究が活発に行われる控室。その二つを往復しながら私は、自らの脳だ
けを信じ、衆人環視のなか苦吟する両対局者の孤独な営為に深い感動を覚えた。きちんと映像に残し、
見せ方さえ工夫すれば、将棋界最高峰の対決は素晴らしいコンテンツになるに違いないとも思った。
加えて、終局後の佐藤棋聖、羽生挑戦者の姿がじつに興味深かった。勝者と敗者は終局したとたん、
2人で作った作品たる棋譜から適度な距離を置き(デタッチして)、健全な批判精神をもって、第三者のよう
に語り始めたのだ。自分の研究成果であろうと、皆と一緒になって批判精神で眺め、活発に議論する欧米
の科学者たちを見ているかのようだった。