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家庭で「手作りみそ」 安心も醸す
家庭で大豆やこうじを使って仕込む「手作りみそ」がブームになっている。食の安全、安心への
関心が高まり、家族や仲間と一緒に、出来上がるまでの手間や時間も楽しもうという人が
増えているようだ。初心者向けの講習会や電話相談も登場している。
1都8県の10生協が加盟する「パルシステム生活協同組合連合会」(東京都文京区)では、
2004年から、雑菌が繁殖しにくく、仕込みに最適な今の時期に「手作りみそ電話相談」
を実施している。今年は今月2日に行い、「煮た大豆はすぐにつぶさないとダメ?」
「みその底をかき回す天地返しはいつごろにやればいいですか」など約150件の相談が
寄せられた。9日には初の「手作りみそ品評会」も開催。12人の組合員の自家製みそを審査した。
同連合会商品企画部長の栗田典子さん(41)によると、同連合会の商品カタログに掲載されている
「こうじ」の売り上げは右肩上がりで、今年は約3万1200点も売れたという。「赤ちゃんを
産んだばかりの若い家族から、子育てを終えた世代まで、幅広い年代の人が手作りに関心を持っています」と話す。
東京都杉並区で今月5日、みそ作りの講習会が開かれた。企画したのは、40~60歳代の女性で作る
グループ「ユイの会」(宮崎由美子代表)。「新村こうじみそ商店」(富山市)の新村義孝さん(58)
を講師に招き、会員ら約25人が210キロのみそを仕込んだ。
同会でのみそ作りは、昨年に続き2回目で、「おいしくて安心して食べられる」と会員に好評だったという。
講習会では、あらかじめ煮てつぶした大豆を新村さんが用意、その場では塩とこうじを混ぜ込み、おけに
つめるだけ。初心者が気軽に取り組める点も、会員に喜ばれたようだ。
昨年に続いて参加した池崎りつ子さん(56)は、「熟成して食べられるようになる秋まで、まるで
子どもを育てるように見守った。発酵やカビは恐ろしいものだと思っていたけれど、過程を知り、
勉強になった」と話す。
新村さんは「食への関心の高まりからか、みそを家庭で作りたいという人は多い。首都圏などからこうじを
宅配便で送ってほしいという依頼も増えてきました」と話す。
手作りみそブームについて、社団法人中央味噌(みそ)研究所(東京都中央区)常任理事の藤波博子さんは
「食の安全、安心に加え、食育の広がりからみそ作りに取り組む人が増えてきた」と分析し、「みそ汁の具に
ナトリウムの排出を促す野菜や海藻を合わせるなど、日本にはみそをうまく使う文化がある。手作りを
きっかけに、そうした文化も知ってほしい」と話している。
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