07/11/14 22:53:11 gcwxV9oY
>>98
両方好きな俺としては、司馬遼の小説も読んでもらいたいなあ。
司馬遼の文章は論理的なので、ちゃんと翻訳すれば伝わり易いという
意見もあるのである。確かに小説の形態としては変わってるんだが。
普通の小説は、基本的に主人公や副主人公の視点で物語が展開する
(黒幕が暗闇で「ぐふふ」とつぶやいたりするシーンもあるにはあるが)。
これに対して、司馬遼の小説では時々、超時空空間に居るらしい(笑)
作者の視点で 「余話ではあるが、本件は後年これこれに発展する」 とか
「これと同時代、同じ事を考えた男が居る」とか俯瞰しちゃうからな。
極端なのになると、「菜の花の沖」では、話の佳境において、文庫本で
丸々一巻分を費やして、登場人物の生まれる100年以上前まで遡り、
ロシア側の背景説明をやる。多分、新聞連載を読んでた人は、ここで
大いに脱落した筈である。
でも、あれは好きな人には堪らないのであるよ。